【皮膚科:医師監修】毛周期とは?脱毛するときの関係性や効果的な脱毛期間を紹介

脱毛をするときには、「毛周期」の仕組みを知っておく必要があります。なぜなら、多くの脱毛サロンやクリニックで行われる光脱毛やレーザー脱毛は、毛周期に合わせて照射を行うためです。毛周期の仕組みやサイクルを知っておくことで、効果的な脱毛について理解することができます。

このページでは、脱毛と毛周期の関係性についてご紹介します。毛周期の基本はもちろん、毛周期に合わせて行う脱毛、毛周期と関係なくできる脱毛についてもご紹介しますので、脱毛を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

現在ミュゼプラチナムでは「毛周期」に関係なくお手入れが可能です。

毛周期とは

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毛周期とは毛が生まれ変わる周期(サイクル)のことです。この周期は「成長期」「退行期」「休止期」の3段階あり、成長した毛はやがて抜けて次の毛が生える準備をするのが大まかな流れです。この周期に異常が発生すると抜け毛などに繋がります。

また、脱毛と毛周期は密接に関わっており、成長期の毛にアプローチする脱毛方法が多いです。

各周期の特徴について

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毛周期の各期間にはそれぞれ役割があり、それぞれの毛がバラバラの周期で生え変わっています。それぞれの役割を把握しておけば、脱毛効果を得やすくなります。

ここからは、毛周期の各周期の特徴をご紹介します。

成長期の特徴

成長期は、その名の通り毛が成長して伸びている時期です。成長期は大きく分けて2つあり、「成長期前期」と「成長期後期」に分類できます。

成長期前期

成長期前期は、毛根にある「毛母細胞」が活発に細胞分裂を繰り返し、毛が成長していく期間です。ただし、成長期前期は皮膚の表面まで伸びていない時期のことであり、肌の表面から毛が出てくると「成長期後期」になります。

そのため、成長期前期は肌の表面には見えない状態です。成長期前期ではまだ毛根が皮膚の浅い位置にあるため、脱毛機のライトもしっかり届き脱毛効果が期待できます。

成長期後期

成長期後期は肌の表面に毛が伸び、退行期に入るまでの期間です。体毛は限りなく伸び続けるわけではなく、一定の長さになると成長が止まります。この成長が止まるタイミングが退行期になるため、毛周期の中でも成長期後期はとても長いです。

このように成長期後期の期間は長いですが、成長期の毛の量は全体の10%~15%ほどしかありません。そのため、全ての毛を脱毛するためには何回もお手入れする必要があります。

退行期の特徴

成長期の次にくるのが退行期です。ここでは、毛の成長が止まります。また、成長期と比べると毛も弱まってきます。つまり、皮膚の内部でくっついていた毛がはなれやすくなるのです。そのため、毛が毛根から抜けやすくなり、自然と抜けていきます。

抜けやすい時期に脱毛したほうが効果的では?と思われるかもしれませんが、脱毛方法の多くは、成長期に行うのが効果的です。脱毛機のライトが反応するのはメラニン色素ですが、それが一番多いのが成長期です。しかし退行期の毛はメラニンが薄くなっているため、あまり効果が出ません。

休止期の特徴

退行期のあとに、休止期がきます。これは毛が毛根から完全に抜け落ちた後の状態です。しばらくこの状態が続きますが、次の毛を生やす準備をして、また成長期に突入します。

この時期も退行期と同じで、メラニン色素に反応させる脱毛方法の場合は、脱毛には適しません。毛がないので、脱毛機を使用してもメラニンへの反応が見られないからです。

成長期から次の成長期に突入するまで、部位によって異なりますが、およそ2カ月~1年くらいのサイクルです。しかも、毛にはそれぞれの毛周期があるため、そろうことはありません。お手入れの期間を空けることで、成長期を迎える毛を順番に脱毛していきます。

身体の部位別の毛周期

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毛にはそれぞれの毛周期がありますが、実は身体の部位によっても毛周期のサイクルの長さは異なります。以下で、部位ごとのサイクルをまとめてみました。

部位

期間

2~3カ月

ワキ

6~8カ月

1年

ひざ

1年

太もも

1年

VIO

2~3年

場所によって、サイクルの長さが全く違うのがわかっていただけたかと思います。なかでも顔は、生えかわりが早いです。顔の産毛などはあまり長く伸びないので、実感しやすいのではないでしょうか。

身体の各部位は、毛が入れ替わる期間が長くなっています。ワキは3~4カ月の成長期のあと、同じくらいの期間の休止期に入るため、長いと8カ月ほどかかります。

腕や足部分は、4カ月ほどの成長期があり、その後、5~6カ月の休止期に入ります。そのため、完全に生え変わるまでには1年近くかかると考えてください。

身体の中で生え変わりに時間がかかるのがVIOラインです。成長期だけでも1~2年近く続き、その後1年~1年半くらいの休止期を迎えます。ここは生えている毛が他の部位よりも太くて丈夫です。そのため、完全に生え変わるまでにかなりの時間が必要です。

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脱毛は「成長期」に行う必要がある

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脱毛のお手入れを受けるときに重要なことは、成長期の毛でなければ脱毛の効果が期待できないことです。1回でお手入れできる毛の割合は、前述の通り10%~15%ほどです。毛周期はそれぞれの毛によってバラバラであるため、なかには毛周期に関わらずお手入れが可能な脱毛方法もありますが、一般的には毛周期に合わせて期間を空けて、またお手入れを受け続ける必要があります。

つまり、毛周期をしっかり把握しておけば脱毛を仕上げるまでにかかる期間も予想しやすくなります。また、ここからはなぜ成長期に脱毛を行う必要があるのか理由をご紹介します。

理由①:メラニン色素が濃くなるため

脱毛時に照射するライトやレーザーの種類によっては、毛の黒い部分(メラニン色素)に反応する脱毛方法もあるため、そのような方法で脱毛を行う場合は色素が濃いほど脱毛効果が出やすくなります。

理由②:ライトやレーザーを毛根に照射できるため

退行期〜休止期は、毛が毛根から抜け落ちてしまった状態です。すでに毛が抜けている毛根にライトやレーザーを照射しても効果を得られず、再度毛が生えている時期(成長期)に照射し直さなくてはいけません。

そのため、成長期のうちにライトやレーザーを照射することで、効率よく脱毛を進めることが可能になります。毛周期は部位やそれぞれの毛によって異なるため、成長期の毛を狙って繰り返し脱毛のお手入れを行う必要があるのです。このように脱毛や毛周期の仕組みを押さえておくことで効果的な脱毛を受けられます。

理由③:肌から毛が生えてくる時期であるため

成長期の毛は、毛根と繋がった状態で肌の表面に現れます。成長期前期では表面に出てきていないものの、成長期後期になった毛は肌の表面から出てきます。毛は成長に応じて毛根が深くなっていくため、成長期後期であればしっかりと毛根にライトを当てられます。

そのため、毛の元となる毛根(毛母細胞)にしっかりと作用することができ、脱毛効果が高まります。

脱毛するときの注意点

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脱毛するときにはいくつか注意点を押さえることも大切です。場合によっては脱毛効果が薄まってしまうことも少なくありません。

ここからは、脱毛するときの注意点をご紹介します。

毛1本1本の毛周期はバラバラ

毛は1本1本それぞれで毛周期は異なります。例えば、ムダ毛の中にも脱毛の効果がある成長期の毛もあれば、効果がない退行期・休止期の毛もあります。休止期の毛は既に抜けているため、目には見えませんがしばらくするとまた生えてきます。

そのため、脱毛の効果が出たと感じていても、しばらくすると休止期の状態が成長期に移行するため、また生えてきます。脱毛で効果を得るためには、成長期になるまで待つことも必要です。

キレイに仕上げるためには何回か通う必要がある

ここまでのご説明の通り、毛は1本1本で毛周期が異なり、ほとんどの部位では約1年でサイクルが回っています。そのため、脱毛のお手入れをしている部位をキレイに仕上げるためには、毛周期を考慮する脱毛方法の場合、毛周期(成長期)に合わせてお手入れをする必要があります。

つまり、ほとんどの部位では脱毛でキレイに仕上げるためには1年ほどの時間が必要なのです。また、VIOに関しては2年~3年周期で毛が生え変わるため、しっかりと脱毛するためには長い時間がかかるので注意が必要です。

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どれくらいの間隔で脱毛するのが効果的?

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一度脱毛をすると、しばらく期間を空けて次のお手入れの予約を取ることがほとんどです。しかし、どのくらいの間隔で脱毛するのが効果的なのでしょうか。

脱毛方法によって異なりますが、およそ1~3カ月ごとです。このくらいの期間があれば、1回目のお手入れで脱毛できなかった部分で、成長期に突入する毛が生えてきます。サロンやクリニックでのお手入れで効果の出る長さの毛が生えていることが多いのです。

そのため、はじめのうちはこのくらいの間隔でお手入れを受けると良いです。お手入れとお手入れの間に生えてくる毛もありますが、心配ありません。それは成長期に突入している毛だと考えてください。

それを繰り返し、数回受けると、徐々に生えてくる毛の量が減ってきます。そうなれば脱毛が進んできた証拠なので、多少期間が空いても問題はありません。

脱毛中に注意すべきことはある?

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脱毛していると、いろいろと気になったり心配したりすることが出てきます。対処を間違えてしまうと、肌トラブルを招いたり、お手入れができなくなったりするかもしれません。ここではよくある疑問点を3つ、ご紹介します。

毛抜きでは抜かない

脱毛後、すぐに毛が生えてくることがあります。せっかく脱毛したのに、と思い毛抜きなどで抜く方もいますが、ここで抜いてはいけません。生えてくるのは脱毛したあとに成長期に突入した毛です

これらはそのままにしておくと、次回以降のお手入れで脱毛することができます。しかし抜いてしまうと、そこで毛周期が狂ってしまい、いつまでたっても脱毛できません。どうしても気になるときは、カミソリなどで軽く剃るくらいにしておいてください。

また、毛抜きでムダ毛を抜くと毛穴を無理矢理広げてしまうため、肌に与えるダメージは大きいので注意が必要です。さらに、不衛生な管理をしている毛抜きを使用すると毛穴に雑菌が入り、毛嚢炎などの炎症に発展する可能性があるので注意が必要です。

日焼けをしない

脱毛中の日焼けは厳禁です。脱毛では肌にライトやレーザーを照射することで熱エネルギーが発生するので、終わったあとは肌が火照ったような状態になっています。脱毛後にピリピリとしたり、熱を持ったりしているのはそのためです。

日焼けによって身体に熱がある状態でお手入れをすると、皮膚が熱くなりすぎてしまい、お手入れができなくなってしまいます。そのため、脱毛中は日焼けに気をつけてください。どうしても野外に出なくてはいけないときは、日焼け止めクリームを塗るなどの対策をしてください。

また、日焼けをしているとムダ毛の毛根ではなく、肌の黒色の色素にライトが反応してしまい、適切に脱毛できません。肌トラブルに繋がることもあるので、多くの脱毛サロンでは日焼けしている部位のお手入れには対応していません。

生活習慣が乱れないように注意する

生活習慣の乱れやストレスなどにも注意が必要です。ホルモンバランスが崩れると、毛周期にも影響を与えてしまいます。また、強いストレスなどによっても毛周期がずれたりします。そのため、脱毛中はできる限り規則正しい生活を送るようにしてください。

また、毛の材料になるタンパク質や毛の成長を促進するビタミンやミネラルなどもバランス良く摂る必要があります。このような栄養が不足している状態だと、成長期がすぐに終わってしまい成長途中で退行期に移り抜けてしまうことがあります。

好きなものだけを食べるような生活や、暴飲暴食や夜ふかしなども身体によくありません。意識的にリラックスする時間を作り、規則正しい生活や栄養バランスのとれた食生活を心がけてください。

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脱毛完了に必要なお手入れ回数は?

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また、脱毛完了に必要なお手入れ回数はどのくらいなのでしょうか?脱毛完了までのお手入れ回数は、光脱毛とレーザー脱毛とで異なります。主に、光脱毛とレーザー脱毛の脱毛完了に必要なお手入れ回数は、以下の通りです。

・光脱毛(脱毛サロン):18〜24回

・レーザー脱毛(医療クリニック):5~10回

光脱毛よりもレーザー脱毛での照射の方が出力が強いため、1回あたりの脱毛効果が高くなりやすいです。そのため、レーザー脱毛の方が、少ないお手入れ回数で脱毛を完了させることができます。

ただし、前述の通り部位によって毛周期は異なるため、回数が少なく済むとは言っても、脱毛したい部位によっては時間がかかります。出力が強く1回のお手入れの効果が高くても、光脱毛と同様に期間を空けて回数を重ねる必要がある点は変わらないので、注意してください。通うペースで迷ったら、スタッフに相談するのがおすすめです。

毛周期を見分ける方法はある?

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脱毛を効率よく完了させるために、自分の毛周期を見分けておきたいという方も少なくありません。しかし、毛周期を見分ける方法はありません。人それぞれ毛周期が異なり、一概に「あなたの毛周期はこれくらい」と判断することができないのが現状です

また、個人ごとの毛周期を見ても、数カ月〜数年単位でばらついていることが多く、統計データを算出することが難しいことも原因のひとつです。

脱毛サロンやクリニックでも、毛周期を見分けて脱毛プランを提案することは、ほぼ不可能であると考えておいてください。

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毛周期と関係なくできる脱毛方法

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最後に、毛周期と関係なく受けられる脱毛方法である「SHR脱毛」と「ハイパースキン脱毛」の2種類をご紹介します。

①SHR脱毛

SHRとは「スーパーヘアーリムーバル」の略を指します。脱毛サロンで行われる光脱毛の一種ですが、従来の光脱毛の仕組みとは異なります。従来の光脱毛であれば、ライトを照射することで、毛根で細胞分裂を行い毛を増やす「毛母細胞」を弱らせることで、毛を生えにくくする仕組みでした。

一方、SHR脱毛では、ライトを肌に照射することで「バルジ領域」と呼ばれる毛を作るための司令塔にダメージを与えます。司令する部分が弱まるため、新たな毛が生えにくくなるという仕組みです

SHR脱毛では、毛周期に関係なくアプローチが可能な「毛包」の中にある「バルジ領域」にダメージを与えます。そのため、1回のお手入れ後2〜3カ月の間隔を空けて脱毛を進めていた従来の光脱毛に比べて、SHR脱毛では、毎月お手入れを行うことができるようになります。

結果的に、短いスパンでお手入れを繰り返すことができるため、効率よく脱毛を完了させることができます。

②ハイパースキン脱毛

ハイパースキン脱毛とは、従来の光脱毛で使用するライトの出力よりも、弱い力のライトを肌に照射する脱毛方法です。ゆっくり長い時間をかけて熱を蓄積させて、その弱い熱を肌に照射します。ハイパースキン脱毛では、毛包の中にある毛を生やす司令塔「バルジ領域」から生まれた「発毛因子」にアプローチを行います。

この発毛因子とは、バルジ領域にて分裂することで、新たな毛が生える仕組みとなっています。しかし、ハイパースキン脱毛では、この発毛因子にじっくりと熱を与えて、発毛因子を消すことで、新たに毛を生えにくくします

SHR脱毛と同じく、ハイパースキン脱毛でも、従来の光脱毛でアプローチしていた「毛根」や「毛母細胞」ではなく「毛包」「バルジ領域」「発毛因子」にダメージを与えて脱毛します。そのため、毛周期を気にせずに、短いスパンでお手入れを繰り返すことが可能です。

毛周期を気にする従来の光脱毛であれば、1回のお手入れを済ませたら2〜3カ月待たなければならなかったのに対し、「SHR脱毛」や「ハイパースキン脱毛」では毎月お手入れを行うことができるため、効率よく脱毛を終わらせたい方におすすめです。

毛周期を理解して効率よく脱毛しよう

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脱毛と毛周期の関係性についてご紹介しました。多くの脱毛サロンやクリニックでは、効率よく脱毛を進めるために、毛周期に合わせて脱毛に通うことを推奨しています。

一般的な脱毛方法で効果を発揮するのは「成長期」の毛であり、毛全体の10%~15%ほどしかありません。そのため、退行期・休止期の毛に関しては成長期になるまで待つ必要があり、脱毛のお手入れもこのサイクルに合わせることが大切です。

また、毛周期は毛や部位によって変わります。そのため、1回のお手入れで全ての毛を脱毛することはできません。

脱毛方法によって、毛周期に合わせる必要があるのかどうかが異なるため、気になる脱毛サロンやクリニックがあったら、どのような仕組みで脱毛できるのかチェックしてみてはいかがでしょうか。効率よく脱毛をはじめられるように、基本の仕組みを理解しておくのがおすすめです。

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この記事の監修者

医院

渋谷セントラルクリニック

名前

河村 優子(かわむら ゆうこ)

プロフィール

アンチエイジングをコンセプトに体の中と外から痩身、美容皮膚科をはじめとする様々な治療に取り組む医師。

海外の再生医療を積極的に取り入れて、肌質改善などの治療を行ってきたことから、対症療法にとどまらない先端の統合医療を提供している。

保有資格

日本抗加齢医学会専門医・日本麻酔科学会専門医・日本レーザー医学会認定医