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【栄養素別に解説】美容におすすめのサプリメントって? 教えて栄養士さん!

【栄養素別に解説】美容におすすめのサプリメントって? 教えて栄養士さん!

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美容のためにサプリをはじめてみたいけれど、どの栄養素がどんな美容にいいのか、悩みを解消してくれるのかわからない…なんて人も多いはず。
そこで今回は、美容にオススメのサプリメントや効果的な摂り方を、栄養士さんに教えてもらいました! サプリの力を借りて、内側からキレイになっちゃおう♩

栄養士・食育栄養インストラクター 神原李奈さん
栄養士・食育栄養インストラクター 神原李奈さん

株式会社Luce・健康検定協会所属。日系航空会社の客室乗務員として4年間勤務。退職後、大手料理教室の講師の経験を経て栄養士養成専門学校に入学し、栄養士免許を取得。現在は外資系航空会社で客室乗務員をしながら、栄養士としてさまざまなメディアで健康や食に関する情報発信・栄養指導を行っている。

ビタミンCは万能選手! 美容サプリの初心者さんにもぴったり

美容のために何かサプリを始めたいなら、まずはビタミンCを手にとってみて!

ビタミンCには強い抗酸化作用があり、美容の大敵である活性酸素の働きを抑えて細胞の健康状態をサポート。乾燥・ニキビ・毛穴・テカリ・美白など、あらゆるお悩みに対応できちゃう、とっても万能な栄養素だよ。

コラーゲンの生成にも関わっているので、将来のたるみ・シワなどの対策にもオススメです。

ビタミンCを摂るポイント

ビタミンCの吸収率を高めるには?

A,食後に摂る、こまめに摂る

ビタミンCは水溶性で身体に蓄積されないので、一度にたくさんではなく、こまめに摂ると◎
摂るタイミングはいつでもいいけれど、空腹時よりも食後の方が、食べ物とともに腸をゆっくり通過することで吸収量を高められるかも。「毎食後に摂る」と決めちゃうのもオススメ!

ビタミンCと好相性なのは?

A,タンパク質、鉄

タンパク質と一緒に摂ると、コラーゲンの生成を助けてくれるよ♩ ビタミンCは鉄の吸収を助けるので、貧血気味の人は鉄と一緒に摂ってみて。

美容にはビタミンB群・E・Aもオススメ♩

代謝をサポートするビタミンB群の中でも、美容にはB2・B6がうってつけ!

ほかの栄養素の代謝を助けて、健康的な皮膚をつくるために欠かせないビタミンB群。ナイアシン・ビオチン・パントテン酸・葉酸・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12の8つから成り、ターンオーバーをサポートするので、肌荒れや乾燥対策のためにも欠かせません。

そして美容目的ならビタミンB2・B6が特にオススメ♩ どちらも糖質・脂質・タンパク質の代謝に関わっていて、ビタミンB2は特に脂質を、ビタミンB6はタンパク質の代謝に必要なので、肌トラブルの予防に大活躍します!

食材では、豚肉をはじめとする肉類や魚介類などに多く含まれています。特にレバーには、ビタミンB群が全体的に含まれていますよ。ただしレバーにはビタミンAも多く含まれているので、摂りすぎに注意。

ビタミンB群を摂るポイント

ビタミンB群の代謝を高めるには?

A,こまめに摂る

ビタミンCと同じく身体にため込めないので、こまめに摂ろう。

ビタミンB群と好相性なのは?

A,ビタミンB群(ナイアシン・ビオチン・パントテン酸・葉酸・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12)

ビタミンB群はチームで活躍して代謝をUPさせるので、単独で摂っても効果を発揮しにくい一面が。複数の種類のビタミンBを一緒に摂れるように、前後の食事やほかのサプリメントとの兼ね合いを考えてみて。

ビタミンB群に注意点はある?

A,ビタミンB1の吸収にはアルコール×、熱には強い

ビタミンB1はアルコールを摂るとたくさん消費されてしまうので、体内で不足しやすくなる原因に。また、コーヒーやお茶に含まれるタンニン、生の淡水魚・甲殻類の大量摂取によって吸収率が下がってしまうので要注意。

ビタミンB群は水に溶けやすいので、食品の場合は煮物などや、そのまま食べられる食材がオススメ。熱には強いので、加熱すること自体はOK!

ビタミンEはくすみやエイジングケアに

ナッツ類やアボカドなどに多く含まれるビタミンEは、抗酸化作用や血行促進効果によって細胞を健康に保つ働きが期待できます。血行を良くしてくれるので、顔色を良く見せたい、トーンUPしたいと思っているなら試す価値あり

年齢を重ねると血行や代謝が悪くなるので、エイジングケアにも役立ちます。

ビタミンAも粘膜・皮膚の健康維持に必要不可欠

粘膜や皮膚、目などの健康を保つために役立っているのがビタミンA。不足すると肌がかさつくこともあるので、乾燥肌対策には必須です。ビタミンCやビタミンEと同様に抗酸化作用があるので、エイジングケアにも◎

にんじんなどに含まれるβ-カロテンは、必要な分だけ体内でビタミンAに変換されます。β-カロテンのサプリはあまり販売されていないので、ビタミンAを補うためには食事でも緑黄色野菜などを意識して摂るようにしてみてください。

ビタミンA、ビタミンEを摂るポイント

ビタミンA、ビタミンEの吸収率を高めるには?

A,油脂と一緒に摂る

油脂と一緒に摂ると吸収率UP! サプリの場合はオイリーな食事の後に摂ってもいいし、牛乳などの脂質と合わせてもOK。

ビタミンA、ビタミンEと好相性なのは?

A,ビタミンC

同じく抗酸化作用を持つ栄養素(ビタミンC・ビタミンE・ビタミンA)と一緒に摂ると相乗効果あり。

ビタミンA、ビタミンEに注意点はある?

A,どちらも脂溶性で身体に蓄積されやすいため、摂り過ぎには注意。

ビタミンEは摂り過ぎると下痢など健康障害の可能性も。一般的な食事で過剰摂取することはほとんど考えられないけれど、サプリメントだとリスクが高まってしまいます。食事とのバランスも考えながら、量にはくれぐれも気を付けて。

ビタミンAは、妊娠初期に摂りすぎるとお腹の赤ちゃんに奇形が出やすくなることがわかっているので、妊娠3カ月以内、または妊娠を希望する女性は特に過剰摂取に注意が必要です。量を守れば摂ること自体に問題はないので、しっかり確認しましょう。

健康&美容のためには鉄分(ヘム鉄)が重要!

全身に酸素を届けるミネラルの1種、鉄。鉄分には、動物性食品に多く含まれる「ヘム鉄」と、植物性食品に多く含まれる「非ヘム鉄」の2種類があります。サプリを選ぶ際は、より吸収率が高いヘム鉄がオススメ

不足すると、血色がなくなることによるくすみやクマ、髪と肌の乾燥やツヤの低下、むくみなどが起きてしまうことも。

さらに、肩がこったり疲労感が出たり、鉄欠乏性貧血になると頭痛やめまい、動悸、息切れといった症状が出たりと、健康にも大きな影響が…! 女性は毎月の生理で鉄分が不足しやすいので、健康・美容のためにしっかり補いましょう

鉄欠乏症は重度にならないと症状や徴候は現れないため、日頃から注意が必要です! 不安な人は、病院での検査なども検討してみてくださいね。

鉄分(ヘム鉄)を摂るポイント

鉄分(ヘム鉄)の吸収率を高めるには?

A,空腹時に摂る

胃酸によって吸収が促進されるので、鉄分(ヘム鉄)のサプリは空腹時に摂るのがオススメ

鉄分(ヘム鉄)と好相性なのは?

A,ビタミンC、タンパク質

ビタミンC、タンパク質などと一緒に摂ると吸収率がUP!

鉄分(ヘム鉄)に注意点はある?

A,鉄分の吸収にはカフェインが×、鉄分の摂りすぎは便秘に

カフェインは鉄の吸収を妨げてしまうので、コーヒー・紅茶・緑茶などを飲む前後もなるべく避けるのがベター。

サプリメントや、鉄分を強化した食品などを過剰に摂取すると、便秘・胃腸障害・鉄沈着・亜鉛の吸収阻害などが起こる可能性も。推奨用量を守り、摂りすぎに気を付けて。

ほかのミネラルも欠かせない! 亜鉛やカリウムには特に注目

鉄分以外のミネラルも、健康と美容に必要不可欠な栄養素。中でも特に注目したいのは、亜鉛とミネラルです。

マルチミネラルのサプリでもOKですが、ほかのサプリと重複する栄養素がある場合は過剰摂取に気を付けましょう。

亜鉛でターンオーバーをサポート

代謝に関わり、ターンオーバーをサポートしている亜鉛。皮膚や髪を健康に保つために働いているので、不足すると肌荒れや皮膚炎につながります。味覚障害や食欲不振といった症状が出たりすることも。

むくみ対策にはカリウムを

女子に多いむくみ悩みには、カリウムが救世主になってくれるかも!

むくみの原因になるのは、水分を増やすナトリウム(塩分)。通常、体内では細胞内に入ってきたナトリウムを汲みだして、カリウムを取り込む機能が働いています。このバランスが崩れてナトリウムの比重が大きくなると、むくみの原因に…。

現代の食生活ではナトリウムを摂りすぎる傾向にあるので、むくみが気になるなら意識してカリウムを摂ってみてね。バナナやアボカド、トマトやほうれん草など、手に入りやすい野菜やフルーツにも含まれているよ!

亜鉛、カリウムを摂るポイント

亜鉛、カリウムの吸収率を高めるには?

A,亜鉛はこまめに、カリウムは塩分の多い食事をとった後に食後に摂る

体内に余分に貯蔵できない亜鉛は、こまめに摂るのがオススメ。カリウムは、塩分の多い食事をとった後などに意識して摂ってみてね。

亜鉛、カリウムと好相性なのは?

A,亜鉛はビタミンA・ビタミンC、カリウムはクエン酸と一緒に

亜鉛は、ビタミンAやビタミンCと一緒に摂ると吸収率UP! カリウムは、ミネラルの吸収を促すクエン酸との組み合わせがオススメ。

亜鉛、カリウムに注意点はある?

A,亜鉛は豆製品、全粒穀類と相性×、腎機能障害の人はカリウムの摂取量に注意

豆製品や全粒穀類に含まれるフィチン酸塩は、亜鉛の吸収を阻害するので要注意。

腎機能障害の人はカリウムの摂取量に制限があるので、必ず医師に相談しましょう。

髪・肌のためにはタンパク質を! コラーゲンの材料にもなるよ♩

髪や肌のツヤ・うるおいをUPさせたいなら、タンパク質(プロテイン)をしっかり摂ろう。爪が割れやすいなんてお悩みにもマスト。

「うるおい・ツヤ=コラーゲン」というイメージを持つ人も多いけれど、コラーゲンはアミノ酸がいくつも結びついたタンパク質。つまり、コラーゲンはタンパク質そのものなんです。

コラーゲンそのものをサプリで摂っても一度アミノ酸に分解されてしまい、体内で再びコラーゲンになって皮膚や髪に行き届くかどうかは身体の状況次第。

体内でコラーゲンが必要とされるときに備えて、材料となるアミノ酸が不足しないようにするのが大切。そのためには、まずさまざまな種類や数のアミノ酸から成るタンパク質を積極的に摂るのがオススメだよ。タンパク質を補うことでコラーゲンの材料をそろえ、みずみずしい肌や髪をキープしよう♩

体内のコラーゲン量は20代がピークで、60代になると大幅に減少します。年齢だけでなく、紫外線やストレスによって発生する活性酸素もコラーゲンが減少する原因になります。

タンパク質を摂るポイント

タンパク質の吸収率を高めるには?

A,こまめに摂る

一度にたくさん摂っても過剰な分は体脂肪になってしまったり、分解されてアミノ酸になるとほかの物質になって排出されたり、こまめに補給しないと体内のタンパク質が減ってしまうんです。タンパク質はこまめに摂るのがオススメだよ。

タンパク質と好相性なのは?

A,ビタミンC、ビタミンB6

ビタミンCはコラーゲンの生成をサポートしてくれるので、コラーゲン目的でタンパク質を補うなら一緒に摂ってみて。タンパク質の代謝を支えるビタミンB6とも相性◎

タンパク質に注意点はある?

A,寝る直前は×

寝る直前にプロテインを摂取すると、胃や腸などの消化器官に負担がかかる可能性が。夜に摂る場合は、せめて就寝の30分〜1時間ほど前には済ませてね。牛乳由来のホエイプロテインは乳糖不耐症の人だとお腹を下すことがあるかもしれないので、ソイプロテインを試してみて。

菌活をあなどるなかれ! お腹すっきり&ほかのサプリの吸収もUP

腸内環境が整えば、お腹がすっきりするだけでなく、ほかの栄養素も効率よく摂り込みやすくなって一石二鳥

納豆菌や乳酸菌など、善玉菌を含む食材を普段から摂るようにしてみて。オリゴ糖や食物繊維は善玉菌の餌になるので、一緒に摂るのがオススメだよ。

サプリの習慣を始めるなら、菌活にも同時にチャレンジしよう♩

やみくもに飲むのはNG! サプリメントはここに注意

美容や健康の心強い味方になってくれるサプリメントは、正しく摂取してこそ魅力を実感できるもの。注意すべきこともチェックして、適切に活用してね。

基本は食事。サプリに頼りすぎないで!

サプリメントは、あくまでも普段の食事で足りない栄養素を補うためのもの。サプリに頼りきらずにまずは食生活を見直して、どうしても不足しがちな栄養素をサプリで足すようにしよう。薬局にいる栄養士さんや薬剤師さんに気軽に相談してもOK。それでも気になることが続くなら、クリニックなどの受診も視野に入れて。

糖分は? アレルギーは? 原材料をチェック!

サプリを選ぶ際は、原材料や成分表も確認したいところ。最近増えているお菓子のようなタイプは、糖分過多になりやすいので気を付けて。カプセルや錠剤にアレルギー原料が使われていないかも要チェック。ゼラチン(豚肉)や乳製品、小麦などにアレルギーがある人は、必ず確認してね。

万が一のことを考えると、日本製が安心

海外製が絶対NGというわけではないものの、何かあったときの対応や問い合わせは、日本製の方がスムーズ。コスパの良さなどから注目を浴びることも多い海外製のサプリだけれど、こんな面があることも認識しておこう。海外製でも日本に問い合わせ窓口があると安心だよ。

サプリを上手に活用して、美容も健康もポテンシャルUP!

美容のためには、外からのスキンケアだけでなくインナーケアも重要。普段の食生活も見直しつつ、不足しがちな栄養素はサプリに助けてもらって、賢く理想のキレイを目指しちゃおう♩

イラスト/Yumika
構成・文/新井美由紀、vivace

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