【皮膚科:医師監修】埋没毛になる人は多い?なったらどうする?調査結果と適切な対処法を紹介
ワキやアンダーヘアなどのムダ毛を自己処理していたら、「埋没毛」になってしまったという経験がある方は多いと思います。皮膚の中に毛が埋もれてしまう埋没毛は、ひどくなると黒いポツポツが濃く目立つなど、見た目が気になります。だからといって、無理に取り出そうとすると、肌を傷つけてしまいます。
このページでは、埋没毛が起こる原因と対処方法、また、埋没毛にならないための脱毛方法などについてご紹介します。
埋没毛(埋もれ毛)とは?
埋没毛とは、皮膚の表面に埋もれてしまった毛のことです。何らかの原因により肌の表面に出るはずの毛が、肌から出ることができず薄い皮膚の下でそのまま成長を続けてしまいます。毛が生えている場所であれば、どこでも埋没毛になる可能性はあり黒いブツブツのように見えてしまうことも多いです。
原因によっては1カ所に多くの埋没毛ができてしまうこともあり、肌を露出することをためらってしまう方は少なくありません。埋没毛を防ぐためには、まず何が原因で起きているのかを明確にすることが大切です。
また、埋没毛は毛・毛穴の異常であり、悪化することで毛嚢炎などの炎症に発展することもあります。適切な対処法を押さえておけば、埋没毛を防ぎ肌をキレイな状態に保ちやすくなります。
埋没毛になったことがある人はどれくらい?
埋没毛は多くの方の悩ませる原因になっている肌トラブルの1つです。では、実際に埋没毛になったことがある方はどれくらいいるのでしょうか。埋没毛になった方の割合や実体験・対処法などを知ることで、どのように対策すれば良いのかヒントになります。
今回は全国20代~40代の女性100人に対してアンケートを実施しましたので、その内容をご紹介します。
埋没毛になったことがある人は74%
■調査期間:2021年6月16日~2021年6月17日
■調査方法:インターネット調査
■調査人数:100人
■調査対象:全国20代~40代の女性
埋没毛になった経験がある方は、アンケートの対象者全体の74%でした。今まで自分で自己処理をしていた方の多くが埋没毛を経験しています。今でも継続的に埋没毛で悩んでいる方は多く、「自己処理をすると必ず埋没毛ができる」という方もいます。
「埋没毛になったことがない」と答えた方の中には、埋没毛の存在を知っており事前に対策をしていた方もいます。また元々、体質で毛が薄い方は埋没毛になりにくいようです。
埋没毛になった場所は脇や膝、デリケートゾーンが多い
アンケートの結果によると、埋没毛になった場所で最も多いのは脇で、全体の32.4%です。次に多いのが膝で24.3%、デリケートゾーンが12.2%です。脇とデリケートゾーンは体の中でも体毛が濃い場所であり、埋没毛になると目立ちやすい場所でもあります。
膝を含める脚は普段からムダ毛のお手入れを行う頻度が高く、埋没毛を見つけやすい場所です。埋没毛になりやすい場所は、ムダ毛の自己処理を行うことで同時にいくつも埋没毛ができることもあるため、普段から自己処理をする際に注意してください。
また、アンケートの回答数は全体の6.8%と少ないですが、二の腕にも埋没毛ができるケースもあります。
埋没毛になった原因は自己処理
埋没毛になった経験がある方に、「埋没毛になった原因に心当たりはありますか?」と質問したところ、多くの方が「自己処理の方法が間違っていたと思う。」と回答しています。例えば、切れ味の悪いカミソリを使っていたり、毛抜きやピンセットで無理矢理ムダ毛を抜いていたりなどです。
また、カミソリを使ってムダ毛のお手入れをしていた方の中には、時間がなくジェルなどのシェービング剤を使わずに沿った後、埋没毛になったなどがあります。毛抜きを使ってムダ毛のお手入れをしていた方の中には、毛が途中で切れてしまい短い毛が皮膚の中に入り込んでしまい、埋没毛になったケースもあります。
ムダ毛のお手入れ方法を間違っていたり、自己処理後のケアを怠ったときにも埋没毛はできやすいです。
埋没毛を治すためにやっていることは「無理矢理出す」人が多い
アンケートで「埋没毛になったときはどのように対処していますか?」という質問に対しては、「埋没毛になった毛を無理矢理出して抜く」という回答が最も多かったです。
毛抜き以外にも、ピンセットやカッターなどの先が尖ったものを使い、皮膚をほじくり毛を出しています。この方法は肌にとって悪い影響があるものの、埋没毛の見た目の悪さを改善したいという気持ちから行っている方が多いようです。
しかし、無理矢理皮膚を傷つけてて毛を出す方法であるため、出血したり雑菌が入り化膿してしまったりする方もいるので注意が必要です。
埋没毛について正しい知識を持とう
埋没毛の予防したり適切に対応するためには、埋没毛に対する正しい知識を押さえておくことが大切です。実際に、埋没毛の知識がないことで誤ったお手入れや対応をしており、埋没毛ができやすくなったり悪化したりします。
ここからは、埋没毛について押さえておきたいポイントをご紹介します。
毛抜きを使うことで埋没毛になりやすい
埋没毛ができる主な原因は、毛抜きによる自己処理です。毛抜きを使うと毛根を無理矢理引き抜くことになるため、肌に与えるダメージは大きく肌トラブルが起きやすいです。ダメージを受けた肌は角質層が厚くなり、毛穴をふさいでしまうため、新しい毛が表面から出てこられず埋もれてしまいます。
また、毛抜きを使うと毛の途中で毛が切れてしまい、皮膚の中に入り込んでしまうことでも埋没毛が起きてしまうこともあります。
カミソリでも埋没毛になることが多いので注意
カミソリを使ったムダ毛のお手入れでも埋没毛ができる場合があります。ムダ毛をカミソリを使ってお手入れをすると、毛先が尖ってしまい皮膚の表面の内側に入り込んでしまうケースが多いです。
また、カミソリを使うとムダ毛だけでなく肌の表面の角質層まで削ってしまいます。角質層が剥がれたり傷ついたりすると、肌が乾燥しやすくなり皮膚が硬くなる原因になります。他にも、カミソリによって肌が傷つけられることで埋没毛ができることも多いです。
肌の乾燥も原因になる
ここまでのご説明の通り、肌の乾燥も埋没毛の大きな原因になります。肌は乾燥するとバリア機能が低下してしまい、さまざまな肌トラブルが起きやすくなります。埋没毛はその肌トラブルの内の症状であり、主に乾燥によって肌の表面にある角質層が硬くなることで発生します。
肌はターンオーバーというサイクルで代謝し新しい肌へと生まれ変わっています。しかし、肌が乾燥するとターンオーバーが正常に働かなくなり、古い皮膚が排出されず硬くなってしまうのです。
埋没毛になりやすいのは脇・膝・二の腕
埋没毛は、脇や膝、二の腕などで発生しやすい症状です。身体の中でもこれらの部位は自己処理をする回数が多く、肌を傷つけやすいため注意が必要です。また、自己処理の回数が多いことからも埋没毛が発生していることに気づきやすいのも大きな要因です。
これらの部位は露出が多い服装を着たときに目立ちやすい場所であるため、気にする方は多いです。反対に、これらの部位をしっかりケアすれば、夏で露出が多い服装でも自信を持って着られるようになります。
埋没毛にならないためにはどうする?
埋没毛にはさまざまな原因があるので、普段の生活から意識すれば予防できます。では、埋没毛を予防するにはどうすれば良いのでしょうか。
ここからは、埋没毛にならないための予防方法をご紹介します。
電気シェーバーで自己処理をする
ムダ毛の自己処理をしたときのダメージが原因で埋没毛になることが多いです。そのため、なるべく肌に負担をかけない方法で自己処理をすることが大切です。
今まで、カミソリや毛抜きを使ってお手入れを行っている方であれば、電気シェーバーやヒートカッターを使ったお手入れがおすすめです。これらの方法であれば、直接刃が肌に触れることがないため、肌の表面(角質層)を傷つけるリスクが少ないです。
角質ケアで肌の表面を柔らかくする
埋没毛は肌の表面が硬くなることで発生するリスクが非常に高まります。乾燥肌の方やターンオーバーに異常が発生している方だと、角質層が硬くなってしまいます。そのため、肌が乾燥しやすい方や肌が硬くなっている場合は、角質ケアを行うのがおすすめです。
スクラブやピーリング材を使って角質ケアをすることで、肌が柔らかくなり新しい毛がしっかりと表面に出てきやすくなります。しかし、スクラブやピーリング材を頻繁に使うと、肌にダメージを与えてしまうので注意が必要です。
自己処理後は保湿をしっかりする
ムダ毛の自己処理を行った後は、肌がダメージを受けており乾燥しやすくなっているので、しっかりと保湿することが大切です。また、肌のターンオーバーの異常やバリア機能の低下などのトラブルは、肌が乾燥していることで起こりやすいです。
肌を保湿し潤いを保った状態であれば、肌は柔らかい状態をキープできるため、新しい毛がしっかりと表面に出てきやすくなります。
できてしまった埋没毛の対処法
気をつけていても、埋もれ毛ができてしまった、という方もいると思うので、こちらではできてしまった埋もれ毛を対処する方法をご紹介します。無理やり毛抜きなどで引っ張り出すのはよくないので注意してください。
スクラブなどでピーリングをする
自分で埋もれ毛のお手入れをしたい場合は、スクラブの入った石鹸やジェルを使って肌の古い角質を取り除くのが効果的。もちろん無理やり引っ張り出すよりも時間はかかりますが、その分肌への負担が少なくお手入れできます。
ピーリングを行うことで角質を柔らかくして、肌のターンオーバーを早めてあげられるので、その分埋もれ毛が外に出てくるまでの時間を短くするのです。
皮膚科で治療してもらう
最も安心できる方法は、皮膚科で治療してもらうこと。肌の状態や埋もれ毛の状態に合わせた適切な治療をしてもらえるので、気になる方は皮膚科医へ相談してみてください。
もし、今脱毛サロンやクリニックに通っている場合は、埋もれ毛をお手入れする時に抜かないようにしてもらえるかどうかも相談するのがおすすめ。抜いてしまうとライトが反応しなくなり脱毛効果がなくなるため、肌から出したり剃るだけで止めてもらいます。
埋もれ毛があっても医療脱毛できる
もし埋もれ毛になってしまっていても、外側から黒色が認識できるならば医療脱毛でお手入れ可能です。皮膚をレーザーは通過するため、毛根の死滅効果が期待できます。
ただし、もし埋もれ毛が脱毛されてしまった場合、皮膚の外には出てこないため見た目は変わらず埋もれ毛の状態のままとなるので、なるべく埋もれ毛のない状態で脱毛をする方が適切です。
※脱毛クリニックによって麻酔を使う場合などお手入れ方法が異なりますので、詳細は各クリニックにお問い合わせください。
埋没毛にならないためのお手入れは?
それでは、そもそも埋もれ毛を作らないために注意する点や、おすすめのお手入れ方法についてまとめます。肌をいたわって優しくケアすることが大切。
自己処理は肌を傷つけやすいので細心の注意を
脱毛サロンに行かずに自分でお手入れをしている、という方は肌を傷つけない方法で細心の注意を払いながらケアしてください。できれば、毛抜きやカミソリではなく電気シェーバーや脱毛クリームを使ってお手入れするのがおすすめです。
また、サロンに通っていてもサロンでのお手入れの前には自己処理をしてから行く必要があるので、その際もなるべく肌に優しい電気シェーバーや脱毛クリームがおすすめです。ムダ毛を剃る時はジェルをつけるなど、肌の負担をなるべく減らしてください。
脱毛サロンやクリニックでのお手入れがおすすめ
肌への優しさや仕上がりの美しさだけでなく、埋もれ毛の対策のためにも脱毛サロンやクリニックでのお手入れがおすすめです。クリニックで行えるレーザー脱毛とサロンで行える光脱毛について特徴をまとめます。
・高い効果を得たいなら医療脱毛で行う「レーザー脱毛」
医療脱毛という名前の通り、医師や看護師など国家資格を受けている方しか実施できない脱毛方法です。そのため、脱毛効果が高く永久脱毛も可能。
ダメージが強い分痛みが強く出やすいのがデメリットですが、その分短期間で満足のいく仕上がりになるというメリットがあります。費用も比較的高いので、とにかく早くしっかりと効果を出したい方におすすめです。
・はじめての脱毛なら脱毛サロンで行う「光脱毛」
脱毛サロンで行えるのは光脱毛です。レーザー脱毛よりも出力レベルは弱いですが、その分頻繁に通うことができたり、痛みが少なかったりというメリットがあります。
料金もレーザー脱毛に比べ安価なので、これまで脱毛に通ったことがない初心者の方でもお気軽にお手入れに通えるのが魅力です。
脱毛後はしっかりとアフターケアを
脱毛サロンでのお手入れは、自己処理に比べて肌への負担が少なく済むのが大きなメリットです。しかし、脱毛サロンでのお手入れ後も、やはり「アフターケア」は大切。お手入れ後の肌は、非常にデリケートになっているからです。
脱毛でライトを照射した後の肌は、ライトの熱が肌の水分を奪うため乾燥し、炎症を起こしやすくなっています。デリケートな肌の状態はしばらく続くため、ご自宅での保湿ケアがとても大切です。肌にやさしいローションで保湿をすることで潤いを与え、健やかな状態に保つことができ、お手入れの効果が表れやすくなります。
また、紫外線から肌を守ることも忘れずに。日傘や帽子、長袖などを使って、肌を保護してください。アフターケアを徹底することで、あなたの肌を美肌に導き、「ムダ毛のない、美しいつるスベ肌」を実現することができます。
脱毛後のケアについて、詳しくは下記ページをご参照ください。
>脱毛後のケア・保湿が重要な理由とは?正しいケアの手順を解説
適切なケアをして埋没毛を予防しよう
埋もれ毛について、原因や予防方法、できてしまった場合の対処方法など、幅広い情報をお伝えしました。
埋もれ毛ができてしまうと見栄えもよくないですし、肌のトラブルになっているケースが多いため、なるべくできないようにすることが大切です。そのために大切なのは、とにかく保湿。これはサロンに通っていても通っていなくても同じです。
ぜひ、肌をいたわりながら丁寧にムダ毛ケアをして、埋もれ毛ができないように注意してください。
この記事の監修者
プロフィール
アンチエイジングをコンセプトに体の中と外から痩身、美容皮膚科をはじめとする様々な治療に取り組む医師。
海外の再生医療を積極的に取り入れて、肌質改善などの治療を行ってきたことから、対症療法にとどまらない先端の統合医療を提供している。
保有資格
日本抗加齢医学会専門医・日本麻酔科学会専門医・日本レーザー医学会認定医
こちらの記事を読んだ方に!
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これだけは知っておきたい!
脱毛の基礎知識
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