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【女医監修】デリケートゾーンのかゆみ・ムズムズの原因と対処法を教えます。

【女医監修】デリケートゾーンのかゆみ・ムズムズの原因と対処法を教えます。

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デリケートゾーンがムズムズかゆいときって、なかなか人には相談しづらいですよね。でも、かゆいまま放置するのはNG。場合によっては、婦人科を受診した方がいい場合もあるんです!

また、病気じゃなくても、日々の習慣がかゆみを引き起こしている場合には、生活習慣を見直すことで改善できるから、早めに対処するのがオススメ。

今回は、婦人科「なおえビューティークリニック」院長の喜田直江先生に、デリケートゾーンのかゆみの原因や対処法&予防法、病院を受診する目安を教えてもらいました。適切なケアで大切なデリケートゾーンを守っていきましょう!

監修:喜田直江医師
監修:喜田直江医師

なおえビューティークリニック院長。京都府立医科大学卒業後、産婦人科医として多数の分娩・手術症例を経験。形成外科医として、形成外科の基本から縫合の技術まで幅広く習得。2011年に東京・銀座で美容婦人科治療専門クリニック、なおえビューティークリニックを開院。TV、雑誌など多数のメディアに出演中。
https://www.naoe-clinic.net/

デリケートゾーンのかゆみ、ムズムズはどうして起こるの?

かゆみやムズムズが起こるのは、肌がダメージを受け、バリア機能が低下してしまっているからです。

バリア機能が正常に働いていれば、多少の刺激も、皮膚がしっかり守ってくれます。ただ、肌がダメージを受けてバリア機能が低下すると、小さな刺激でも炎症を起こし、かゆみにつながってしまうんです。

そんなダメージの原因となるのが、蒸れ摩擦免疫力の低下など。このような刺激によってバリア機能が低下することで、皮膚がかぶれてかゆみも生じやすくなるんです。

また、デリケートゾーンのかゆみは、感染症皮膚炎などが原因になっていることもあります。

デリケートゾーンのかゆみを引き起こす! かぶれ・乾燥の原因

1. ゴシゴシ洗いや下着・ナプキンなどによる摩擦でかゆくなっちゃう!

ニオイが気になってお風呂でついゴシゴシ洗いしたり、トイレで強く拭き取っていませんか?

摩擦によって角質がダメージを受けると、肌のバリア機能が低下して、乾燥からかゆみを引き起こしてしまうんです。

ニオイや不潔さが気になって、ついしっかり洗浄・拭き取りをしすぎてしまう患者さんは多いのですが、かえって肌を傷つけてしまうことになります。
また、ゴシゴシ洗いに加え、洗浄力が強めの石鹸などで洗うのも、肌が乾燥しやすくなる原因になりますよ。

下着やタイツ・ストッキング類、生理用ナプキンの着用など、普段の生活での摩擦も肌が敏感な状態になっているときにはかゆみの原因に。特に、締め付けの強い下着の着用が多いと、摩擦ダメージが起こりやすくなるんです!

敏感肌さんなどは、下着の化学繊維が肌に合わず、かぶれてしまうこともあります。
締め付けはそこまで強くなくても、かゆみやかぶれを感じる場合は、下着の素材による影響を疑ってみてもいいかもしれません。

2. 汗や経血、湿気による蒸れでかぶれてかゆい…

デリケートゾーンはナプキンや下着を身につけていることもあり、多湿で熱がこもりやすい部分。そのうえで、ナプキンを取り替えずに経血が溜まったり、通気性の悪い下着でが溜まると、より蒸れやすくなってしまうんです。

蒸れは、湿度が高い場所に肌が長時間さらされて起こります。蒸れによって角質がふやけてバリア機能が正常に働かない状態になり、かゆみなどのダメージが起こるんです。

長いアンダーヘアも熱や湿気がこもる原因に

アンダーヘアが長くなっていると、デリケートゾーンに熱や湿気がこもる原因になります
ムダ毛処理がきちんとできていない、ナプキンを長時間取り替えない、などの不衛生な状態は、通気性が悪くなりかゆみが起こりやすいだけではなく、ニオイの元にもなるので注意しましょう。

3. 生理中のホルモンバランスの乱れで肌が敏感に

生理中はホルモンバランスが乱れ、肌が敏感になりがち。ちょっとした刺激がかぶれや乾燥につながって、ムズムズかゆくなる原因になってしまいます。

生理になると、エストロゲンという女性ホルモンが低下します。エストロゲンには、肌にうるおいをもたらしバリア機能を守る働きがあるため、低下することで肌が乾燥し、バリア機能が弱まってしまうんです。

生理中は経血&ナプキンによる蒸れも生じやすく、どうしてもかゆくなりやすい状況。肌も敏感になっていて、よりかぶれやかゆみが起こりやすいタイミングだからこそ、しっかり対策が必要です。

4. 誤ったムダ毛処理もムズムズの原因!?

毛抜きで無理やり抜いたり、カミソリで毛を剃るムダ毛処理は、肌表面や毛穴を傷つけてしまいます。無理な自己処理で肌が炎症を起こすと、かゆみにつながってしまうこともあるんです!

気になるところだけハサミでカットしているという人も気をつけましょう。
ハサミで処理した後、毛先はチクチクと尖っている状態になっています。チクチク毛が伸びると、肌に当たったときに刺激になったり、かゆみを感じてしまう場合もあるんです。

デリケートゾーンのかゆみは「感染症・皮膚炎」の可能性も

かゆみが長引くかぶれているおりものの様子が違うなどの症状を感じたら、皮膚炎や、細菌・ウイルス・真菌(カビ)に感染して起こる感染症の可能性もあります。

特に、強いかゆみを引き起こす感染症を2つご紹介! 少しでも症状が出ていたら、早めに婦人科に相談しましょう。

腟カンジタ症

膣カンジタ症とは、カンジタと呼ばれる真菌(カビの一種)から引き起こされる感染症。
実は誰でも持っている菌で、免疫が正常に働いているときは問題ないけど、免疫が落ちているときや、膣の中を守っている善玉菌が減っていると、強いかゆみを引き起こします。

腟カンジタ症の症状・見分け方

  1. 強いかゆみ一日中続く

  2. おりものが白っぽくポロポロしている

  3. 膣の入り口付近がかゆくなり、外側が赤くかぶれたようになることも

まず、かゆみやムズムズが起こるのは、肌がダメージを受けているから。そのダメージになる原因が、上に挙げたような項目です。
不潔、摩擦、乾燥などは、肌ダメージを起こすので注意してください。

かゆみが長引く、かぶれている、おりものの様子が違うなどの症状を感じたら、湿疹などの皮膚炎や、細菌・ウイルス・真菌(カビ)に感染して起こる、カンジダやトリコモナスなどの感染症の可能性も。
悩まずに医師に相談してくださいね!

トリコモナス腟炎

トリコモナス膣炎は、デリケートゾーンに強いかゆみを引き起こす性感染症。
トリコモナス原虫という、微生物のような原虫が引き起こすかゆみで、強いかゆみとニオイが特徴です。

トリコモナス腟炎の症状・見分け方

  1. 強いかゆみ一日中続く

  2. 黄緑色で、泡沫状のおりものが出る

  3. 強いニオイがある

  4. ほかの感染症と合併して起こることも多い

主に性交渉によって感染するものですが、原因は「トリコモナス原虫」なので、感染者の使用したタオル下着便器浴槽などからも感染の可能性があります。

これってただのかゆみ? それとも感染症? 病院を受診する目安

かゆみにはいろいろな原因があることはわかったけれど、自分で見分けるのは難しい…。
でも、感染症や皮膚炎なら早めの対処が大事だし、どうやって見分けたらいいのでしょうか? 病院を受診する目安をご紹介します。

かゆみが長時間続いたら、まずはデリケートゾーンをやさしく拭き取る洗い流すなどで清潔な状態にして保湿を。そのうえで、デリケートゾーンのかゆみに対応する市販薬を使ってみましょう。
市販薬を使っても数日間かゆみが引かない場合には、婦人科で受診を。

ただ、かゆみを感じてすぐに婦人科に行くのも、もちろんOKです。感染症などは早めに検査をして適切な治療を行うのがオススメですよ。

かゆみの具合や、患部の状態と相談しながら対処をしましょう。とにかく、まずは清潔な状態にする&保湿ケアなどでデリケートゾーンの肌環境を整えるのが大切です。

先生教えて! デリケートゾーンのかゆみの対処法・予防法

【その1】摩擦レス&丁寧に洗って清潔に

デリケートゾーンは敏感で刺激を受けやすい部分なので、摩擦を起こさないようやさしく洗いましょう。
洗顔するときと同じように、手指を使いながら、たっぷりの泡をクッションにして洗うのがGOODです!

また、洗浄料はデリケートゾーン用酸性の洗浄料がオススメ。
固形石鹸など、アルカリ性のボディソープだと、しっかりと汚れを落とすことができる反面、洗浄力が刺激となってしまうことも。酸性の洗浄料は肌のpHに近いためマイルドに汚れを落とせます。

清潔に保ちたいからといって、膣の中を洗うのは絶対にNG。膣には自浄作用があるので、洗うと逆に感染症などにかかりやすくなることもあります。

編集部オススメアイテム

アミノ酸をベースにした処方で優しく洗い上げる液体ソープ

デリケートボディウォッシュ(ドライスキン) 100mL

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2,640円

アミノ酸をベースに、3種のヒアルロン酸※1、2種のコラーゲン※2、24種類の和漢西洋ハーブ配合※3を配合した、液体タイプのボディウォッシュ。ふわふわの柔らかい泡で、やさしい洗い上がり! 柑橘系の香りもさっぱりして◎
※1 加水分解ヒアルロン酸、ヒアルロン酸Na、アセチルヒアルロン酸Na(すべて保湿成分)※2 水溶性コラーゲン、ヒドロキシプロリン(すべて保湿成分)※3 ハーブ由来の成分(保湿)

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【その2】デリケートゾーンに触れるものを見直して

下着は通気性がよく、肌にやさしいものに

蒸れや摩擦をやわらげるため、通気性がよく肌あたりがやさしい生地の下着やストッキング類をチョイスしましょう。また、締め付けがキツいものは摩擦ダメージが大きくなりやすいため、締め付けすぎないものを選ぶのもオススメです。

敏感肌さんなど、下着の生地でかぶれてかゆみにつながる人もいると思うので、化学繊維ではない、綿100%などの素材を選んでみるのもいいでしょう。

ナプキンはこまめに交換する

ナプキンはマメに交換を。トイレに行くたびに交換するのはもちろん、尿意などがない場合でも2〜3時間ごとに替えましょう。

ナプキンの素材を、オーガニックコットンなど肌にやさしいものにしてみたり、布ナプキンなどを使うのも◎です。

ナプキンやそこに溜まった経血による蒸れや摩擦を防ぐという意味では、月経カップタンポンを活用してみるのもひとつの手ですよ。

最近では、さまざまな生理用品が販売されているので、自分にあったものを活用しながら、より快適な方法で対策してみましょう。

【その3】しっかりと保湿をする

顔のスキンケアと同じように、デリケートゾーンの乾燥は肌のバリア機能を低下させる大敵。蒸れやすいからといって、保湿をサボるのは絶対NGです! 入浴後はしっかり保湿をして、乾燥から肌を守りましょう。

できればデリケートゾーン専用の保湿剤がオススメですが、ない場合は敏感肌向けボディミルクでも大丈夫です。
このとき、保湿剤が膣に入らないように気をつけてくださいね。

編集部オススメアイテム

くすみがちなデリケートスキン用の美白※美容液

ミュゼコスメ ホワイトエッセンスforデリケートスキン【医薬部外品】30mL

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3,960円

2種類の美白有効成分配合で、メラニンの生成を抑えてシミ、そばかすを防ぎ、うるおいにより透明感のある明るい肌に導きます。さらっとしたテクスチャーで、お風呂上がりにもぴったり!
※ メラニンの生成を抑え、シミ、そばかすを防ぐ

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【その4】VIOのムダ毛をケアする

蒸れの原因にもなるムダ毛は、すべて処理してもOKなくらいです。VIOのムダ毛を残す場合も、尿などが付着したり、蒸れないように短く整えるなどのムダ毛処理は怠らないようにしましょう。

ただ、自己処理をする際、肌ダメージを与えるカミソリや毛抜きを使うのはNG。また、ハサミでカットするだけの処理も、毛先がチクチクしてかゆみの原因となるので△です。自分では目視しにくい部分だから、無理に処理しようとすると怪我してしまうこともあるので注意が必要ですよ!

デリケートゾーンのムダ毛処理は、VIO専用シェーバーを使うのがオススメです。専用のものであれば、見えにくい・デリケートな部分であることを見越して安全に処理できるように作られているので安心ですよ。

VIOの処理が難しいと感じる場合は、無理せずサロンやクリニックでプロに頼ってみてくださいね!

編集部オススメアイテム

【その5】食&生活を整え免疫力UP! 内側からかゆみケア

生活リズムが乱れていたり、ストレスが溜まった状態で免疫が低下していると、肌のバリア機能も低下して、デリケートゾーンのかゆみにつながることもあります。

先ほど紹介したように、膣カンジタ症は免疫の低下によって起こることが多い症状です。

かゆみ対策をするためには、蒸れや摩擦に気をつけるだけでなく、内側から肌のバリア能力や免疫力を高めてあげることも大事ですよ。

糖質や脂質などが偏りすぎないよう、満遍なく栄養を摂取できるようなバランスのいい食生活に切り替えましょう。

また、睡眠時間はエストロゲンの分泌量に大きく関わってくるので、寝不足は大敵! 7〜8時間程度、十分な睡眠時間で、身体を休めつつホルモンバランスを整えてみてくださいね。

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デリケートゾーンを清潔に&保湿してアソコのかゆみとおさらばしよう♩

蒸れや摩擦、かぶれなどから引き起こされるデリケートゾーンのかゆみには、こまめに対処するのが大事! やさしく洗浄して清潔な状態をキープしながら、丁寧な保湿ケアですこやかな肌状態を目指しましょう。

また、感染症の可能性がある場合には、早めの受診で適切な治療を受けることが大切です。

デリケートゾーンのかゆみを放置したり、かいてしまうと、肌が炎症を起こしたり、黒ずみなどの肌トラブルに悪化したりしてしまうことも。放って置かず、正しく対処しましょう。

イラスト/黒猫まな子
構成・文/本間香奈、vivace

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