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ケガした傷跡…残らないようにするためのケアを教えて!【お肌レスキュー隊】

ケガした傷跡…残らないようにするためのケアを教えて!【お肌レスキュー隊】

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誰しもが経験のあるお肌にまつわる大失敗。お肌レスキュー隊が、その被害を最小限に留めるためのレスキュー方法を伝授します!

美容に詳しい頼れるレスキュー隊・隊長。お肌をやさしく心配しつつ、時には厳しく指導してくれる。

隊長の有能な右腕的存在の隊員A。冷静な判断が持ち味。

入りたての新人隊員B。悲惨な現場だと弱音をこぼしがち。

今回の救助現場は…

今回の要救護者は、派手に転んでケガをしてしまった女性です。

あらあら、ちょっと血を拭いただけで洗いもせずに放置する気ね…。

幼い頃から“つばをつけておけば治る”と親に言われて育ち、今までタフに生きてきたようです。

このままじゃ傷跡が残ってしまいます〜!

残った傷跡はなかなか消えないわ…早速レスキューするわよ!

ケガをして、傷跡が残ってしまう原因は?

傷跡が残る原因には、傷の深さが関係しています。基本的に、表皮だけの傷であれば跡になることはほぼありません。しかし、真皮にまで達してしまうと跡が残ってしまいます。

また、治るまでの時間も関係していて、治療に時間がかかるほど傷が残りやすい傾向に。肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)やケロイドという赤い盛り上がり、幅のある大きな傷跡になってしまうことも。

表皮だけの傷であれば残りにくいというのは確かだけど、悲しいことにほとんどが真皮にまで達してしまうの。

なるほど…となると、傷跡が残るかどうかは、治療方法や治るまでの時間に大きく左右されそうですね。

どうにか跡に残りにくい治療方法はありませんか〜!?

正しい治し方を知って、できるだけ跡にならないようにしていくわよ。

日常生活に多い【擦り傷・切り傷・打ち傷】それぞれの特徴とは?

まずはそれぞれの傷がどういう状態なのかを把握しておきましょう。今回は、よくあるケガの種類【擦り傷・切り傷・打ち傷】の3つにフィーチャーしていきます。

擦り傷【擦過傷(さっかしょう)】

転倒・摩擦などで道路や壁と肌がこすれ、肌表面が剥がれた状態。外で起こる擦り傷は、土や砂利が傷に入り込んでしまうことも多い。

切り傷【切創(せっそう)】

刃物やガラス片など鋭利な物で肌が切れてしまう、いわゆる切り傷。傷の深さにもよるが、縫合すればキレイに治ることが多い。

打ち傷【挫創(ざそう)】 

身体と物がぶつかり、鈍的外力によって皮膚が断裂してできるケガ。転倒や事故などに多い。切り傷とは違って衝撃を受ける範囲が広いため、損傷部分がえぐれたり、周囲組織の挫滅が強くなる場合も。

ひぃ〜! 擦り傷に切り傷、想像するだけでも痛いですぅ。

ここまで傷の形が違うとなると、救護の仕方も変わってきそうですね。

日常生活に多い3つのケガを挙げたけど、打ち傷(挫創)に関しては損傷が激しいので自分でどうにかしようとせずに、すぐに病院を受診してほしいわ。今回は擦り傷と切り傷にヤケドをプラスして、自分でできる応急処置&治療法をレクチャーしていくわね。

レスキュー開始! 傷口の応急処置&治療方法

擦り傷【擦過傷(さっかしょう)】の治し方

処置STEP① 傷口を洗い、汚れを落とす

まずは傷口を流水でしっかりと洗いましょう。ケガ=消毒というイメージがありますが、感染していなければ基本的には消毒は不要です。

外でケガをして土や砂利がついた擦り傷は、完全に汚れが落ちるまでしっかりと洗浄。皮膚に異物が残ったまま塞がると、外傷性刺青(がいしょうせいしせい)という色残りを引き起こす原因に。

痛みで落としきれないことも多いので、心配な人は病院の受診がオススメです。擦り傷専用の洗浄方法で異物を洗い流してもらえます。

処置STEP② ワセリンを塗ってガーゼを貼る

止血後は、ワセリンを塗ってガーゼで保護。もしくは、モイストヒーリング(湿潤療法)ができる絆創膏でもOK! 傷口を乾かさないように治していきましょう。

傷口の汚れが気になる人は、最初はワセリン&ガーゼでの治療を行い、こまめに洗浄するのがオススメ。数日経ってからモイストヒーリングができる絆創膏に切り替えてくださいね。

モイストヒーリング(湿潤療法)とは?

被覆材とは傷口を保護する絆創膏やガーゼなどのこと。モイストヒーリングを行う被覆材は傷口をしっかりとカバーし、乾燥させずに直していく治療法。傷口から滲み出た浸出液には、破壊された皮膚を修復する成分が含まれているため、早く傷が治るといわれています。

翌日以降のケア

モイストヒーリング用絆創膏の場合

2~3日(使用するアイテムの推奨頻度)に1回、石鹸で傷口を洗って貼り替えます。ただ密閉性が高いため汚れが残っていると一緒に密閉されてしまうことに。

外傷性刺青だけでなく感染の恐れもあるので、使用前に十分に傷口を洗浄しましょう。治療過程でもしっかりと洗浄することが大切です。

ガーゼ&ワセリン使用の場合

乾きやすいのでワセリンは数時間に1回塗り足すのが理想。1日に1回はしっかりと洗い、ガーゼを貼り替えて清潔に保ちましょう。

ガーゼ交換の際にキズにガーゼがくっつきやすいので、水で濡らしながら剥がすのがオススメ。キズにくっつかないガーゼ(非固着性ガーゼ)もあります。

油分であるワセリンは水で洗っても落としきれないので、石鹸で洗って。しっかり洗浄しないと古いワセリンの上に塗り重ねるだけになり、効果が薄れてしまうの。また、傷口から滲み出た浸出液と混ざり、感染症を起こすリスクも。清潔に保つのがとっても大切よ。

切り傷【切創(せっそう)】の治し方

処置STEP① 傷口をキレイに洗う

まずは流水でよく洗いましょう。傷口にガーゼを当て、血が止まるまで押さえて圧迫止血。ティッシュは傷口にくっついてしまう可能性があるので、ガーゼがオススメです。

縛ったりして無理に止血をするのは、血の循環が悪くなってしまうので絶対にNGです! 血が止まらないほど傷が深い場合は、自力で治そうとせず形成外科を受診してください。

処置STEP② 止血後は傷口を乾かさず治療

止血後は、モイストヒーリング用の絆創膏もしくはワセリンを塗布&ガーゼを貼り、傷口を乾かさずに治療。翌日以降のケアはこちらをチェック。

切り傷は割れた幅のまま修復されていきます。ぱっくりと割れてしまっている場合は、病院で縫合をしてもらったり、傷を寄せて固定するステリテープなどを使用して適切な治療を。なるべく隙間を作らないように治していくのが◎

ちなみに、スライサーなどで皮膚ごと削ぎ落としてしまった場合は、湿らせたガーゼに破片を包んで受診をするのがいいそうよ。

え!? 切り落としてしまった破片をですか!?

ケガをしたばかりの小さな皮膚であれば、縫合でそのままくっつく可能性があるの。

これには冷静な私も驚きです…人間の生命力ってすごいですね。

番外編:ヤケドの治し方

処置STEP① 冷水で冷やし、水ぶくれはそのままで

まずは冷たい流水、状況によっては氷水で30分ほどしっかりと冷やしましょう。水ぶくれができてしまったら、無理に剥がそうとせず数日間はそのままにして。水が勝手に抜けてしまうのは問題ありません。

水ぶくれのなかには傷を早く治す成分が入っており、皮が傷口を守ってくれるとも言われています。また、水ぶくれが割れて残った皮は、剥がさず数日間は傷口に残しておくと保護する役割になって痛みの緩和になります。

処置STEP② 皮が剥がれた後は湿潤療法で治療

皮が剥がれた後は、湿潤療法で治療しましょう。翌日以降のケアはこちらをチェック。

治りかけのヤケドは皮膚が薄く、乾燥&紫外線の影響を受けて色素沈着が起こりやすくなっています。治ってからもしばらくは保湿をし、UV対策をしましょう。

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どんなケガでも、傷口を乾かさずにうるおして治すというのが大切なんですね。

昔はわざと乾かして治す…なんて人もいたけど、今は湿潤療法が主流になっているわ。

子どもの頃は無理にかさぶたを剥がしたりと、肌に悪いことをたくさんしちゃってました〜。

それはマズイわね…間違いを起こす人が少しでも減るように、ここからは傷跡が残ってしまうNG行動を見ていくわよ!

傷跡が残るNG行動3つ

NG行動① かさぶたを無理に剥がす

肌を傷つけるような行動はもちろんNG。また、かさぶたを作る=傷が乾くと治るまでに時間がかかり、傷跡が残りやすくなります。

NG行動② 同じ絆創膏を貼り続ける

湿潤療法で治していくのが大きなポイントですが、同じ絆創膏を貼り続けると感染症のリスクが高まりとっても危険! 清潔に治療をしていきましょう。

NG行動③ 治ったばかりの傷の日焼け

意外と陥りがちなのが、傷跡の日焼け。ヤケドや擦り傷が治りたての肌は、紫外線の影響を受けやすくなっています。傷跡用のUVカットシートもあるので、紫外線対策はしっかりとしてください。

傷跡が残ってしまった場合はどうすればいい?

基本的に、色素沈着による傷跡はターンオーバーとともに薄くなっていきます。何年も傷跡が残っているという人は、外傷性刺青の可能性が。この場合、自力で薄くするのは難しいので、美容皮膚科や形成外科を受診してください。

肌が盛り上がるような傷跡は、切り取って縫い直すという大掛かりな手術になってしまいます。治りたてのピンク色の状態であればまだ望みはあるので、早めに病院を受診しましょう。

傷跡を残さないためには“湿潤療法で早く治す”&“日焼け対策”が大切!

傷跡をできるだけ残さないために、一刻も早く傷を治し、日焼け対策を徹底しましょう。「擦り傷程度だから…」とおざなりにしまうと、一生消えない跡になってしまう可能性があるので気をつけて。

小さな傷でも放置せず、衛生的に治していくのが大切よ。小さい傷でも不安なら、病院を受診してほしいわ。正しい治療法でキレイなお肌を守りましょう。本日は以上!撤収!

ラジャー!

ラジャー!

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監修:服部有美医師
監修:服部有美医師

大学病院などで形成外科医(形成外科専門医取得)として勤め、現在は表参道と銀座に展開するBIANCAクリニックと銀座ケイスキンクリニックに勤務。形成外科の知識を活かした美容医療を得意とする。服部先生のInstagramはこちら

イラスト/えのきのこ
構成・文/vivace

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