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糖質の摂りすぎは肌に良くないって本当!?“糖化”の悪影響と予防法について知ろう【内科医監修】

糖質の摂りすぎは肌に良くないって本当!?“糖化”の悪影響と予防法について知ろう【内科医監修】

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ダイエットのために糖質制限をするのはよく聞く話だけれど、糖質の摂りすぎは肌にも悪影響を与えるって知ってましたか? 糖質を摂りすぎると「糖化」という現象が起きて、くすみやたるみなど肌の老化につながってしまうそうです。そこで今回は「糖化」と肌や美容の関係について、内科医の望月先生に教えてもらいました。「糖化」のことをしっかり理解して、美と健康を守りましょう!

監修:望月瑠璃子先生
監修:望月瑠璃子先生

ルリクリニック院長。兵庫医科大学卒。大阪警察病院、大阪大学医学部付属病院などを経て、ルリクリニック院長を務める。日本内科学会専門医、抗加齢医学学会専門医として、美容内科、栄養学、アンチエイジング、再生医療にも精通している。

そもそも「糖化」って何?

「糖化」とは、食事などから摂取した糖分のうち、エネルギーとして使われずに余った分が体内のタンパク質と結びつき、熱(体温)によって劣化する現象のこと。

糖分とタンパク質が結合し、加熱されることで発生する悪玉物質はAGEs(Advanced Glycation End products:終末糖化生成物)と呼ばれていて、「肌(身体)のコゲ」と表現されることも。肌を含めた身体に、老化などのさまざまな悪影響を与えてしまうんです。

イメージしやすいのはホットケーキ。焼くとこんがりとした茶色になるのは、糖質(砂糖など)とタンパク質(卵や牛乳)が結合して加熱され、糖化現象が起きているからなんです!

AGEsは慢性的な高血糖状態が続くと体内で作られますが、食べ物や飲み物、タバコの煙などからも体内に取り込まれます。外部から取り込まれるAGEsは、体内に存在するAGEsの3分の1を占めるともいわれているほど多いのです。

糖化(AGEsの発生)によって起こる肌トラブル&肌の老化

シワ、たるみ

肌のハリや弾力を司るコラーゲンやエラスチンはタンパク質の一種。糖と結びつくと変性・劣化し、肌を支えきれなくなることでシワやたるみになります。

シミ、くすみ

糖化によってAGEsが蓄積されると、排出されるべきメラニンが肌に滞留してシミやくすみとして肌表面に現れます。AGEsは茶褐色の物質なので、蓄積したAGEsそのものによる黄ぐすみの原因にも。

乾燥、肌荒れ

糖化が進むとターンオーバーを活性させる酵素がAGEsに阻害されてしまい、肌に栄養が行き届きにくい状態に。ターンオーバーの乱れによって肌の保水力が低下(=乾燥)し、それによる肌荒れも起こりやすくなります

40歳ごろから、AGEsなどの蓄積量の違いで老化スピードの個人差が大きくなり、肌状態も大きく変わってきます。
また、ケラチンというタンパク質でできている髪にも影響が。髪のハリ・コシが低下して傷みやすくなり、ツヤのないパサついた印象になってしまいます。
ただでさえコラーゲンの量や質は年齢とともに低下しますので、糖化対策・AGEs対策を行うかどうかが、エイジングケアの新たな指標になるといえるかもしれません。

当てはまると危険!肌の糖化チェックリスト

糖化と、それによってできるAGEsが肌によくないことはわかったけれど、自分にそのリスクがあるかはわからないものです。
思い当たることがないか、リストをチェックしてみましょう!

肌の糖化チェックリスト

☑ 甘いものやジュースが好き
☑ ファストフードやインスタント食品、パンやスナック菓子などをよく食べる
☑ 早食いのクセがある
☑ 食事を2~3時間以上あけずに続けて摂ることがある
☑ ストレスがたまるとやけ食いしてしまう
☑ スキンケアをしっかりしているのに肌の調子がイマイチ
☑ 最近、ぐっすり眠れない

ひとつでも当てはまったら、糖化のリスクがあるので要注意です!
具体的にどんなことに気を付ければいいか、順番に見ていきましょう。

今日から始めたい! 肌のための糖化予防対策7選

①甘いものや炭水化物、加工肉の摂りすぎを控える

糖化しやすい主な食べ物まとめ

  • 甘いお菓子
  • スナック菓子
  • 甘いジュース
  • 揚げ物
  • 丼もの
  • パスタ
  • 加工肉(ベーコン、ソーセージなど)

糖(糖質)を多く含む食べ物・飲み物はAGEsの材料になってしまうので、なるべく控えめに。お菓子やデザートだけでなく、甘いジュースなどの飲みすぎにも気を付けましょう。

甘いもの以外に炭水化物の摂りすぎにも注意が必要です。丼ものやパスタなどの1品料理は炭水化物の割合が多くなりがちなので、副菜などもプラスしてバランスを取るのがオススメ。炭水化物だけでお腹をいっぱいにしないように、栄養バランスの取れた食事を意識しましょう!

AGEsの含有量がそもそも多い、ベーコンやソーセージなどの加工肉にも気を付けたいところです。保存期間を長くするために水分を抜くので、糖とタンパク質が結びつきやすくなっているんですよ。

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②糖化予防・AGEs吸収抑制対策になる食べ物を摂る

糖化を起きにくくしたり、AGEsが身体に吸収されるのを抑えたりする食べ物を積極的に摂りましょう。

メニューや食材を「制限」するだけではなく、効果的なものを「補う」ことも大切です!

糖化予防になる食べ物

・きのこ類(特に舞茸)

きのこ類に含まれるキチンやキトサンという成分が体内でAGEsとくっつき、便として排出されることでAGEsが吸収されるのを抑える。
その中でも舞茸は、腸からのコレステロールの吸収や、食後血糖値の上昇を抑えるαグルカン・βグルカンなどの食物繊維が豊富。さらにAGEsが体内で形成されるのを抑える作用も。

・ブロッコリースプラウト

体内でのAGEs化を抑えるスルフォラファンという成分を、成熟したブロッコリーの20倍以上の高濃度で含んでいる。

・レモン

ビタミンCを多く含む食材の代表。酸性下では糖とタンパク質の反応が抑えられるので、調理に伴うAGEs化を抑えられる。

・海藻類・オクラ・納豆・モロヘイヤなどのネバネバ食品

腸での糖の吸収をゆるやかにする食物繊維が豊富。

・カッテージチーズ

チーズを熟成させる真菌の中に、キチンやキトサンが多く含まれている。チーズの中では脂肪が少なめでヘルシー。

 

③ゆっくり食べる

食後の血糖値が高い状態が続くとAGEsが発生しやすくなるので、血糖値が急上昇しない食べ方をすることも大切です。

食べる速度が速いと食べ物の消化・吸収のスピードも上がり、血糖値の上昇を招くことにつながります。味や香りを楽しみながら、ゆっくり食べることを意識しましょう。
口に入れたものがペースト状になるまでしっかり噛むこと(1口30回以上)を意識すれば、早食いを防げますよ。

箸置きを使うのもオススメです。ひと口ごとに箸を置くクセをつければ、自然とゆっくり食べる習慣がつきますよ。

④野菜を最初に食べる「ベジファースト」を心がける

食物繊維には、食べ物の消化と吸収の速度をゆるやかにする働きがあります。

食物繊維→タンパク質→糖質の順で食べると、食後の血糖値の上昇スピードを抑えることができるよ。サラダなどの副菜から食べるようにしましょう!

とはいえメニューによっては、野菜だけを先に食べてしまうと食事の楽しみが減ってしまいますよね。完全にベジファーストにできないときでも、1回の食事に食物繊維が含まれていれば、そうでない場合に比べて血糖値が急上昇しにくくなります。もちろんベジファーストが理想ではありますが、難しい場合でも全体のバランスを考えてメニューを選んでみてください。

⑤ゆでる、蒸すがベター!調理方法や調味料を工夫する

加熱温度が高い調理法ほどAGEsの量は増えるので、「揚げる」よりは「焼く」、「焼く」よりは「ゆでる」「蒸す」がオススメです。魚ならサバやサンマ、肉なら牛や豚のバラ肉など、脂質が多い食材のときは特に高温調理に気を付けましょう。

高温調理をする前の下ごしらえでは、お酢やレモンを使ってマリネしておくと◎
糖とタンパク質が結合しにくい状態なり、AGEs化を抑えることができます。

とはいえ、いつも同じ調理法にするのはなかなか難しいもの。まずは「今日は揚げ物を食べちゃったから明日は煮物にしよう♩」くらいのゆる~い気持ちでやってみましょう。

そして、実は電子レンジの使い方にも注意が必要! 電子レンジはマイクロ波で食品の分子を振動させて高温状態にするので、長時間温めたり、何度も温め直したりするのは控えた方がいいんです。絶対に使わないのは無理なので、時間や回数を気にしてみてくださいね。

自炊のとき以外も、揚げ物やソテーなどの高温調理された食品は摂りすぎないようにしましょう。

⑥食後30分から1時間の間に運動する

AGEsは、血糖値が上がって糖化が起こると生成されます。血糖値が上昇する食後30分から1時間の間に身体を動かすことで、糖化のリスクを抑えることができますよ。

食べ終わってもすぐにゴロゴロせずに、軽く身体を動かすようにしてみましょう。本格的な運動じゃなくても大丈夫! 食器洗いや掃除など、軽い家事くらいから始めてみるのがオススメです。

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⑦睡眠をしっかり取る

基本中の基本だけれど、やっぱり睡眠は大切! 就寝中に分泌されるメラトニンには、AGEsの分解を促進する作用があります。

さらに睡眠中には、全身の代謝や免疫を活性化させる成長ホルモンも分泌されます。寝不足で全身のターンオーバーが乱れていると、体内にたまったAGEsが排出されずに糖化が進んでしまうリスクも。適切な睡眠時間は人それぞれだけれど、7時間を目安にしっかり眠るようにしましょう。

成長ホルモンは、眠り始めの3時間くらいまでに深い睡眠を取れていないと、十分に分泌されないといわれています。質の良い睡眠が取れるように、寝る前の過ごし方や寝室の環境も見直してみましょう。

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肌にも身体にもいいことづくし♡ 今日から糖化対策をはじめよう♩

毎日の生活にひそむ、恐るべき「糖化」のリスク。でも糖は完全な悪者ではなく、身体にとって欠かせない栄養素のひとつです。糖化が起きにくい食べ方やメニューの選び方を工夫して、「上手に摂る」ことを意識してみてください。コツコツ続けたら、肌にも身体にもうれしい変化が表れるはずですよ♡

 

イラスト/naotte
構成・文/新井美由紀、vivace

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