スキンケア

ボコッとできた思春期ニキビ。医師が教えるレスキューケア

ボコッとできた思春期ニキビ。医師が教えるレスキューケア

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いつの間にかボコッとできているニキビ。治ったと思ったらまたできたり、スキンケアを工夫しても変わらなかったり、もうどうしたらいいかわからな~い! なんて人は集合!

悩めるみんなのために、皮膚科医の神島輪先生に思春期ニキビの原因や対策、できてしまったときのケアまで、たっぷり教えていただきました。悩ましいニキビにおさらばして、毎日をもっと楽しもう♡

思春期ニキビの原因って?

10代はホルモンバランスが不安定。さまざまなホルモンの分泌が盛んになりますが、とくに男性ホルモンが多く出やすいんです!

男性ホルモンは皮脂腺の働きを活性化させるので、皮脂が多く出ます。それによって毛穴が詰まりやすくなり、ニキビのもとになるアクネ菌が増加。炎症が起きるとニキビになってしまいます。

毛穴が詰まった状態である面ぽう(コメド)が「白ニキビ」。アクネ菌が増えて炎症が起きると「赤ニキビ」になり、膿が詰まると「黄ニキビ」と言われる状態になります。

できちゃった思春期ニキビ、悪化させないためにはどうすればいい?

成長期はさまざまなホルモンの分泌が盛んになるから、男性ホルモンが出やすいのは仕方のないこと。ニキビができてしまったら、地道に対処していくこと・悪化させないことが大切です。スキンケアや生活習慣のポイントを教えてもらいました!

ニキビには触らないで!

ニキビには触らないことが大事とわかっていても、つい…という経験をしたことがある人も多いのでは?

特にテレビを観ているとき、スマホを見ているとき、勉強しているときなど、一人で過ごしているときに触ってしまう人が多いみたい。さらに手で触れなくても、髪が当たって刺激になっていることもあるんです。髪が当たらないように髪型を工夫してみましょう。

ニキビに触れると雑菌が繁殖し、うっかり潰してしまうとニキビ跡の原因にもなります。触って悪化してしまう前に、早めに皮膚科へ行くことも検討してみてね。

ちなみに最近「ニキビパッチ」をよく見かけますが、対策アイテムとしてはアリでしょうか?

ニキビを触らないために使うのであればOK。まれに肌に合わない場合がありますので、そのときは使用しないようにしましょう。心配な人は、目立たない部分で試してから使用してくださいね。

ニキビがあるときのスキンケアって、どうすればいい?

ニキビができているときは、洗顔&保湿の基本ケアを丁寧に行うことが大切。ニキビを「防ぐ」ことにもつながるので、ニキビができていないときも意識してみて。

スキンケアの選び方&使い方のポイント

  • ノンコメドジェニックテスト済み製品を選ぶ
    ※ニキビのもとになる「コメド」ができにくいことを証明するテストを行っている製品のこと。ただし、すべての人にニキビができないわけではありません。
  • スキンケアの前には必ず手を洗う(清潔な手で行う)
  • メイク落としは擦らず、やさしくなじませる
  • ポイントメイクは、専用のリムーバーで落とすと肌に負担がかかりにくくて◎
  • 洗顔は朝晩の2回がベスト
  • 洗顔時は洗顔料をよく泡立て、ニキビを潰さないようにやさしく洗う
  • 洗った後は必ず保湿!
  • 化粧水だけでなく、乳液を使って肌にフタをする。ベタつきが気になるならジェルでもOK
  • 水分を保ち抱え込む高保湿成分、セラミド、コラーゲン、ヒアルロン酸などのうるおい成分がオススメ

10代は皮脂が多いのできちんと落とす必要がありますが、洗いすぎはご法度。かといって1回では少ないので、1日2回がオススメです。洗った後は化粧水で水分をきちんと補給して、乳液で仕上げてくださいね。

ニキビ跡ができないように、日焼け止めを必ず塗ろう

ニキビが治ったと思ったら、肌にシミのように残ってしまう「ニキビ跡」。そもそもニキビ跡は、過剰に作られたメラニン(肌の色素)が肌表面に沈着することでできます。

メラニンがつくられているのは、肌内部の「メラノサイト」と呼ばれる工場のようなところ。なにかしらの刺激を受けると、肌を守ろうとして通常よりも多くメラニンをつくる指示を出してしまうことがあります。

ただでさえニキビという炎症が起きているうえ、そこに紫外線という刺激が加わることで、メラノサイトがより活性化。必要以上にメラニンが作られてしまい、肌の表面に沈着してニキビ跡やシミになってしまうんです。

肌に負担のかかりにくい日焼け止めを使って、必ず紫外線対策をしましょう。

肌に負担のかかりにくい日焼け止めって、具体的にどんなものですか?

アルコールが入っていないものなどがオススメです。ほかのスキンケアと同様、ノンコメドジェニックだとなお良いでしょう。

メイクはしてもOK! 油分が少ないものを選んで

ニキビができているときのメイクは、悪化するから控えたほうがいいという声と、肌を守るためにフェイスパウダーや日焼け止め程度であれば塗ったほうがいいという声があって迷いますよね。実際はどうなのか、先生に聞いてみました。

肌に負担のかかるメイクはできるだけしない方がいいですが、絶対にだめというわけではありません。ベースメイクはパウダーファンデーションなど、油性成分の少ないものを選ぶといいですよ。短時間でやさしく落とせるように、メイク落としはジェルタイプやミルクタイプがオススメです。

さらに、リップやアイシャドウにしっかりめの色を使うのも上級者テク! ニキビよりもポイントメイクを目立たせると、目線がニキビだけに集中しにくくなります。

キレイな肌は健康的な生活習慣から!

 

ニキビができてしまったときは、基本の生活習慣を見直すことも大切。バランスの良い食事と睡眠が特に大事です。

食事では、特にビタミンA、B、C、鉄、亜鉛、タンパク質を摂取しましょう。

栄養素 食材多く含むの例
ビタミンA うなぎ、豚・鶏レバー、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草など
ビタミンB類 卵、肉類全般、魚介類全般、緑黄色野菜など
ビタミンC 柑橘類、キウイ、いちご、赤パプリカ、じゃがいもなど
豚・鶏レバー、あさり、ひじき、大豆製品、ほうれん草、かつお、まぐろなど
亜鉛 牡蠣、カシューナッツ、牛肩ロース、大豆製品など
タンパク質 卵、まぐろ、かつお、大豆製品、鶏ささみ、豚ヒレ肉など

市販薬は、2週間くらいが様子見の目安

皮膚科へ行く余裕がなく、薬局で買える市販の塗り薬を利用したいと思っている人も多いはず。でも、それだけに頼るのはちょっとリスキー。2週間くらい使ってもあまりよくならないと感じたら、皮膚科を受診しましょう。

市販薬は説明をよく読んで、清潔な肌に使いましょう。塗ってかゆみ・痛みがある場合は、肌に合っていない可能性があります。皮膚科で相談してくださいね。

軽い症状でもためらわず、皮膚科で相談を!

「ニキビができたら皮膚科へ」とは聞くものの、どんな状態になったら行くべきか迷うもの。受診すべきタイミングはあるのでしょうか?

たとえ軽い症状でも、気になったら早めに受診してください。ニキビの症状に合わせて薬の調節ができますし、ニキビ跡になるのを防ぐことができます。

初期段階で病院へ行ってもいいのかな? と思いがちだけど、早めの受診を心がけるといいみたい。ひとりで悩まず、お医者さんの力を借りて早く治しましょう♡

まとめ

ニキビができてしまったら、跡にならないように少しでも早く対処することが大切。ニキビを悪化させないためのスキンケアや生活習慣は予防にもつながるので、ぜひ普段から実践してみてね。ときには皮膚科にも頼って、適切に処置してもらいましょう!

監修:神島輪医師
監修:神島輪医師

東京女子医科大学卒業後、同大学の皮膚科に入局。現在は一般診療だけでなく美容診療にも携わり、水道橋ひふ科クリニックの院長として勤務。

イラスト/黄身子
構成・文/新井美由紀、vivace

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