鼻の角栓「押し出す」「引き抜く」のはダメ絶対!NGな理由と正しい毛穴ケアを解説
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小鼻にできるしぶとい角栓。指で無理やり押し出したり、ピンセットで引っこ抜くのはダメだとわかっているんだけど…。
ニュル! スポッ! と簡単に出てくる快感で、誘惑に負けて何度も繰り返してしまう人もいるのでは?
今回は、みんながやりがちなNG角栓ケアとその理由を徹底解説! 合わせて、皮膚科医の長谷川佳子先生に、正しい毛穴ケア方法や、角栓を押し出してしまった後のリカバリー方法を聞いてみました。
目次
ルサンククリニック院長。保険診療や美容外科、美容皮膚科などの経験を活かし、美容施術からホームケアまで幅広く治療を行う。また、美容に関する幅広い知識から、雑誌・メディアでの監修も多数担当中。
角栓の正体とは?
角栓は、皮脂やほこり、皮膚の代謝物(古くなった角質など)が毛穴に溜まり、ミックスされることでできた物質。油とタンパク質でできていて、ザラッとした肌ざわりが特徴です。
肌のターンオーバーが正常に働いていれば、皮脂や皮膚の代謝物は自然と外に出て行きます。ただ、温度変化で皮脂の分泌量が乱れたり、毛穴が広がってしまうことによって、本来蓄積しないはずの箇所に皮脂や汚れが溜まってしまい、角栓ができるんです。
角栓ができやすくなる原因って?
皮脂の分泌量や汚れが増えるような行動をしたり、肌に付着した汚れを洗わず放置することで、角栓はできやすくなります。また、毛穴を広げるような行動も角栓が詰まりやすくなる原因に。皮脂や汚れが広がった毛穴に溜まって、自然に排出されにくくなるんです!
角栓ができる原因になる行動・生活習慣はこちら!
角栓ができる原因となる行動・生活習慣
脂っこい物に偏った食事をしている
長時間メイクしっぱなし/メイクを落とさず寝てしまうことがある
毎日の洗顔をサボっている
洗顔後の保湿ケアを怠っている
入浴後など、毛穴が開いた状態で、アフターケアをせず放置している
睡眠不足やストレスなど、生活リズムの乱れで代謝が悪くなっている
鼻周辺の毛穴は、皮脂腺も多く特に皮脂量が増えやすい箇所。加えて、立体的な構造で皮膚が埋まりやすいため、毛穴に汚れが溜まる&外に放出されない状況になるんです。
だからこそ、適切なケアをしっかり行い、角栓ができやすい原因をカバーしていくことが大切ですよ。
ニュル! スポッ! に注意! NG角栓ケア&理由
角栓に悩むみんなが「ダメだとわかっていてもついやってしまう」角栓除去方法を大調査。
無理な角栓除去がどうしてNGなのか、続けるとどんなことが起こるのか、恐ろしい真実を先生に教えてもらいました。
NG角栓ケア① 角栓を無理やり押し出す
学生のとき、角栓がニュルッと出てくる感覚が気持ち良くて、よく指で押し出していました。でも、やればやるほど毛穴が目立つようになってきて“いちご鼻”に。後悔してます(泣)。(めっちさん/29歳)
鼻の角栓を爪でギュッと押し出していたら、肌が炎症を起こして赤くなってしまいました!(yuさん/29歳)
やってはいけないと分かっているのですが…。今でも角栓が気になったときはすぐに指で潰して押し出そうとしています。(みっちゃんさん/20歳)
気になったときに、つい指や爪で角栓を押し出してしまうという声が。手軽なうえに、ニュルっと角栓が出てくるのは中毒性があり、気持ちよくなってしまってつい押し出してしまうんですよね…。
角栓を押し出した後の毛穴はどうなる?
角栓を押し出すとき、小さな毛穴をピンポイントで押すなんてことはほぼ不可能! そんなつもりはなくても、指や爪で周りの皮膚組織ごと押し潰してしまっているんです。
指や爪で強く圧をかけると、鼻周りの皮膚組織一帯が毛穴ごと押し潰され、広範囲で組織が破壊されてしまいます。指や爪には見えない雑菌も多いため、傷ついた皮膚にばい菌が入って、赤みや炎症につながります。
角栓を押し出す除去方法を続けると、さらに悲劇が!
毛穴の内部どころか、細胞を丸ごと壊しているような状態が続くため、毛穴がさらに広がって、クレーターのような跡になってしまう可能性もあります。
広がった毛穴が目立つだけでなく、余計に角栓ができやすい肌状態になってしまいますよ。
NG角栓ケア② 角栓を無理やり引き抜く
高校生のとき、毛抜きで角栓を抜いていたら、ぽっこり穴が空いたような状態に。いまだに治っていません…。(さらさん/27歳)
ピンセットで角栓を抜いていたのですが、心なしか以前よりも小鼻の黒ずみが増した気がします…。(ぴーたんさん/31歳)
ダメージになるとわかってはいるのですが、毛穴に詰まった角栓やニキビを見るとピンセットなどで抜いてしまいます。(しぇりさん/26歳)
毛抜きやピンセットでスポッと角栓を抜いていると、毛穴や黒ずみが目立つようになったという人が多いみたい。手や爪でやるよりダメージは少なそうに見えますが、実際のところどうなのでしょうか…。
角栓を引き抜いた後の毛穴はどうなる?
指で押し出すよりも細かく、ピンポイントで処理ができるように見えても、実は周りの皮膚まで傷めてるんです!
毛穴に詰まった小さな角栓をピンポイントで処理したいなら、病院で使われるような顕微鏡レベルのピンセットが必要です。家庭用の毛抜きやピンセットだと、角栓だけ触れられているように見えても、周りの皮膚や組織を挟んで傷つけています。
毛抜きやピンセットをこまめに消毒している人は少ないですよね。そこまで汚く見えなくても、汚れや血液の成分が付着している可能性があります。ばい菌によって、炎症をさらにひどくしてしまうことも。
角栓を押し出す除去方法とほぼ同様に、周りの皮膚組織が毛穴ごとダメージを受けるため、指ほど広範囲でなくとも、毛穴周辺の皮膚一帯に赤み、肌荒れなどが起こります。
また、皮膚を挟んだり、無理やり角栓を引っこ抜くダメージが繰り返されることで毛穴はさらに広がり、開き毛穴や角栓詰まりなど、さまざまな肌トラブルが起こってしまう可能性も。
NG角栓ケア③ 鼻の毛穴パックを頻繁に使う
鼻パックでごっそり角栓が取れることに快感を覚えていたのですが、毛穴がかえって広がるということを知り後悔しました。(きちきさん/30歳)
鼻パックを使って、剥がした後そのまま放置していたら、乾燥して余計に毛穴が目立つように…。(ひよこさん/30歳)
手っ取り早く角栓を取り除きたくて、遊びに行く前日にはつい鼻パックを使ってしまいます。(ルービーさん/28歳)
鼻の毛穴パックは、剥がすと角栓がびっしり取れているのが快感で、病みつきになってしまいますよね。でも、肌が乾燥して毛穴が目立つようになったという声も。毛穴パックを使うと、肌にどんな悪影響があるのでしょうか。
鼻の毛穴パックをした後の毛穴はどうなる?
ごっそり角栓が抜ける、乾かすタイプの鼻の毛穴パック。気持ち良くてつい頻繁にやりたくなってしまうけれど、こちらも肌に大きな負担が…。
毛穴パックでの処理は、角栓や毛が抜けて気持ちいいかもしれませんが、実は角栓と一緒に、シートに張り付いてしまった角質層を一層分剥ぎ取っているんです。
押し潰すような圧力はかかっていなくても、シートを剥がすときに、皮膚が引っ張られて皮が剥けるトラブルになる恐れがあります!
皮膚の層が剥がれてしまうことで、赤みや炎症につながります。また、皮膚を保護しているバリア機能を剥いでしまうため、肌が乾燥しやすくなります。肌が乾燥すると、皮脂分泌が過剰になったり、肌のターンオーバーが乱れたりして、逆に角栓が溜まりやすい肌状態になるんです。
皮膚は水分&油分がバランスを保ってうるおっている状態で代謝が適切に働くため、うるおいをキープする役割を果たす角質層を剥がしてしまいますよ。
やっちゃった! NG角栓ケア後のリカバリー方法って?
毛穴の角栓を見ると、どうしても誘惑にかられて「押し出す」「引き抜く」ようなNG角栓ケアをしてしまい、我に返った後に後悔する…。なんて経験をしたことがある人も多いのでは?
ここからは、NG角栓ケアをしてしまった後に、毛穴ダメージをできるだけ減らすためのリカバリーケアをご紹介します。
1. やさしく洗顔をして清潔な状態に
まずは、敏感な状態になっている肌を清潔にするため、毛穴周辺や傷口にばい菌が入らないよう洗顔をしましょう。
炎症で肌がデリケートになっているので、たっぷりの泡で摩擦が起きないようやさしく洗ってくださいね。
また、洗顔後は保湿を忘れずに。肌が乾燥してしまうと、炎症が悪化してしまう可能性もあります。
2. 濡れタオルや鎮静系のシートパックで肌を冷まして整える
炎症が起こっている肌は、冷やして整えるのが大切! 水で濡らしたタオルなどでやさしくケアをしましょう。かえって刺激になってしまう可能性があるので、保冷剤や氷などで急激に冷やすのはNGです。
個包装タイプのシートパックも、肌を適度に冷ましながらスキンケアができるのでオススメです。
CICAなどツボクサ由来の成分など、鎮静系成分を配合しているシートパックなどは、クーリングと合わせて鎮静ケアできますよ。
3. ひどいときは皮膚科で相談して
赤みや腫れがひどかったり、炎症が引かないようなら、皮膚科を受診して治療を受けましょう。
無理な角栓除去方法を何度も繰り返したり、角栓を取った後に放置するなどで毛穴が広がると、セルフケアで元の状態に戻すのは難しくなります。
気になったらすぐに医師に相談するでもOKなので、後戻りできなくなる前に対処しておきましょう。
いくらリカバリーケアをしたからといっても、NG角栓ケアをしたら毛穴へのダメージはゼロにはできません。毛穴の状態を正常に保ち、角栓のできにくい肌になるためには、NGな角栓ケアを絶対にやらないと心に決め、正しい角栓ケアを続けることが大切ですよ。
これが正解! 正しい角栓ケア方法
正しい角栓ケアは、押し出したり引き抜いたりしたときのように、すぐ目に見える結果は出ないかもしれません。しかし、継続すれば徐々に毛穴の状態をよくしていけるはず。信じて続けてみましょう!
1. 蒸しタオルで角栓を除去しやすい状態に
通常の状態で、ダメージなく角栓を取り除くのは至難の業。角栓除去によるダメージを最小限にするためにも、毛穴が開いて角栓が取れやすい肌状態を作ってあげるのが大切です!
スチームや、蒸しタオルを使ったり、お風呂に入って肌を温めるなどで、毛穴が開いて角栓を取り除きやすい状態を作りましょう。
とにかく、毛穴が開いていない状態で無理に除去するのだけは絶対にNGですよ!
2. 丁寧に洗顔をしてやさしく角栓ケア
たっぷりの泡を使って、摩擦が起きないよう気をつけながらやさしく角栓をオフしましょう。
オイル系洗顔料などで、皮脂成分となじませて角栓がスルッと取れやすい状態を作るのもひとつの手。ただ、摩擦が起きないようゴシゴシ擦らず、やさしくなじませるようにオフしましょう。
また、角栓が特に気になる場合は、週に1回、酵素洗顔やクレイパックでスペシャルケアをするのもオススメです。
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3. 冷水で引き締めアフターケア
角栓ケアの後はアフターケアを。毛穴が開いたまま放置すると、かえって肌が炎症を起こしたり、乾燥してしまいます。
洗顔料を落とした後、冷水でさっとすすぐなど、一時的に毛穴の開きをケアしましょう。シートパックで保湿をしながら、合わせてひんやりアフターケアを行うのもOKです。
ただ、冷水などでのケアは一時的なもの。すぐに保湿をして肌を整えてあげるのが大切です。
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4. 念入りに保水&保湿!
角栓ケアの後、保湿せず放置すると肌の水分が蒸発し、乾燥してしまいます。乾燥すると、かえって毛穴が開きや角栓が目立つようになってしまうため、たっぷりの化粧水&乳液で、肌にうるおいをプラスしましょう。
スキンケアアイテムは、いつも使っている化粧水&乳液でOK。特に毛穴が気になる場合には、ビタミンC配合の美容液などで、ターンオーバーを整えるのもGOODです。
毛穴ケアにオススメな美容成分
- ビタミンC誘導体
- レチノール
- プラセンタ
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気になる角栓を無理に除去するのは絶対NG! 正しい角栓ケアですこやか美肌へ導いて♡
角栓は、どんなに気になっても指で押し出したり、無理やり引っこ抜くのは絶対にダメ。毛穴どころか皮膚全体を傷つけて、思わぬトラブルにつながったり、逆に毛穴が目立つ肌になってしまうんです!ニュル&スポッの誘惑に負けずNG角栓ケアを行わないように心に誓いましょう!
角栓知らずの肌を目指すためにも、正しい角栓ケアを継続するのが最重要ですよ。
イラスト/桃源ゆき
構成・文/vivace