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角質ケアのやりすぎで危険な「ビニール肌」に!見分け方と改善方法【皮膚科医監修】

角質ケアのやりすぎで危険な「ビニール肌」に!見分け方と改善方法【皮膚科医監修】

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過度な角質ケアで、肌が敏感になってしまうこともあるって知ってた? 必要な角質まで取りすぎてしまい、デリケートになっている状態の肌を「ビニール肌」っていうんだって。
一見キレイなツヤ肌に見えても、実は危険なビニール肌の見極め方や改善方法、正しいケア方法を皮膚科の先生に教えてもらったよ。少しでも心あたりがある人は、チェックしてみてね!

監修:泉さくら先生
監修:泉さくら先生

琉球大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院皮膚科に入局。現在は一般診療だけでなく美容診療にも携わり、ココメディカルクリニック院長として勤務。

ビニール肌って?

ビニール肌とは、角質ケアのやりすぎで肌のキメが失われ、角質層が薄くつるつるになってしまった状態のこと。

スキンケアをがんばっているのに、なんだか肌がヒリヒリする…調子が安定しない…そんな悩みがあったら要注意。努力家さんほど、ビニール肌になってしまう危険性があるんです。

ビニール肌と健康なツヤ肌の見分け方は?

ビニール肌は一見ツヤがあるように見えるので、本来の健康的なツヤ肌との見分けが難しいことも。でもビニール肌と健康的なツヤ肌には、こんな違いがあるんです。

ビニール肌の特徴

  • 光が当たるとピカピカして見え、肌のキメがない
  • ハリやうるおいがなく、触り心地も不自然につるつるしている
  • 過剰な皮脂でベタベタすることも
  • バリア機能が低下しているので、常に肌トラブルが起きやすい
  • ひどい場合は化粧水などがしみることも

健康的なツヤ肌の特徴

  • 一つひとつの肌のキメがふっくらとしている
  • 肌トラブルが起きにくい
  • 触れるとしっとりとしたやわらかさを感じる
  • しなやかなハリ、弾力がある

あなたは大丈夫? 危険なビニール肌チェックリスト

自分がビニール肌かどうか判断がつかない人のために、簡易的なチェックリストをご用意。あてはまる項目が1つでもあったら、ビニール肌の可能性アリです!

ビニール肌チェックリスト

☑ スクラブやピーリングなどの角質ケア系アイテムが好きで、よく使っている

☑ 洗顔後に肌がつっぱる

☑ 何も塗っていない&乾燥しているのに、肌がビニールのように光る

☑ 化粧水を塗るとヒリつく

☑ スキンケアのなじみが悪い

☑ スキンケアやメイク方法を工夫しても、メイクの崩れが早い

☑ 肌の部位に関係なく、皮脂の量が多くベタつく

こんなケアしてない? ビニール肌を引き起こす主な要因4つ

スクラブ洗顔や毛穴パック、ピーリングのやりすぎ

何らかの原因で不要な角質が溜まっているときは、確かに角質ケアは大切。でも、やりすぎると必要な角質までなくなってしまい、肌を守る機能が低下してしまいます。

肌の状態やアイテムの成分・形状にもよるので「週に何回以上は使いすぎ」とは一概に言えないものの、必要以上に使いすぎるのは危険。例えばアトピーの人や敏感肌の人は、1回使うだけでも角質層が薄くなり、痛みを感じてしまうことも…

クレンジングや洗顔のときに力を入れて擦りすぎている

汚れを落としたいと思うあまり、ゴシゴシと力を入れて洗うのもNG。クレンジング剤や洗顔料の使用量が少ないと摩擦が起きやすいので、ケチって使っている人も注意が必要です。

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洗浄力が強すぎるクレンジング剤や洗顔料を使っている

クレンジング剤や洗顔料は、肌の状態に合わせて選ぶのが基本。クレンジングの場合は、メイクの濃さに合わせるのも重要です。

例えば、肌が乾燥しているときに脂性肌向けの洗顔料を使ったり、日焼け止めしか使っていない日に洗浄力の高いクレンジングバームを使ったり…常に同じクレンジングや洗顔料しか使っていない人は、ラインナップを見直す必要があるかも

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ビニール肌とレチノールの関係もゼロじゃない

「レチノール配合の化粧品を使いすぎるとビニール肌になる」という説もあるけれど、市販の化粧品に配合されている濃度であれば、基本的には問題ありません

ただしレチノール(ビタミンA)には、肌の代謝を上げることで新しい細胞を生成する作用があります。ピーリング効果もあるけれど、強いレチノール(ビタミンA)を使いすぎると、新しくできた細胞がきちんと成長しきらず、逆に肌を傷めたり炎症を起こしたりすることも。

市販品を通常使用するなら大きな問題はないことが多いものの、海外コスメやクリニックで処方されたものなどを使う場合や、敏感肌の人などは慎重になったほうがいいでしょう。

そもそも、角質層の役割って?

ビニール肌にならないためには、必要な角質をきちんと残すことが大切。「角質」が存在している「角質層」の役割を、あらためてここでおさらいしておきましょう!

角質層の特徴&役割

  • 肌(皮膚)表面から、ほこりや菌などの外部刺激が体内に入るのを防ぐ
  • 身体の水分が体外に過剰に蒸散するのを防ぐ

角質層は肌の最も外側にあり、厚さはなんと平均で約0.02ミリ! とっても薄いので、肌に少し触れただけ、水に濡れただけでももろくなってしまいます。

でも角質層は常に生産されるので、もろくなることはあっても完全に失われることは基本的にありません。ただし、新しい角質層が生まれてもすぐに落としてしまうと、ビニール肌につながってしまうというワケです!

ビニール肌になってしまったときの改善方法

ビニール肌になってしまったら、改善のためにこんなケアを意識してみて。

ビニール肌を改善するためのケア

  • スキンケア方法もアイテムも、シンプル志向に切り替える
  • 化粧水がしみる場合は、いったんワセリンのみにする
  • クレンジングの負担を避けるため、落としやすいメイクアイテムにする
  • 紫外線対策を徹底する

とにかくやりすぎケアはSTOP! もちろん、角質ケア系のアイテムはしばらくお休みしてね。日焼け止めを塗って違和感があるときは、日傘や帽子などの小物も活用しよう。

赤みが引かずに痛みを伴ってきた場合には、皮膚科受診をオススメします。

ビニール肌にならないための正しいスキンケア方法

クレンジングや洗顔時の摩擦は厳禁! 肌に合うものを使おう

肌に合うかどうかが最重要ポイントだけど、もし悩んだらアミノ酸系の洗浄成分を配合しているもの・弱酸性の洗顔料から選んでみて。

泡をしっかり立てて、肌と手の間にクッションをつくって洗うことも大事だよ。

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クレンジング剤は、メイクの濃さと肌の状態に合わせてチョイス。少ない力で落とせるように、量を多めに使うことも意識して。

ちなみに、オイルタイプ=刺激が強いというイメージを抱きがちだけど、最近ではテクスチャーに厚みがあったり、洗い流した後に乾燥しにくい成分を配合したりと、肌負担の少ないものも増えています。アイテムごとの特徴をしっかりチェックして、自分に合うものを見つけてね。

スクラブやピーリングなど「落とすケア」はほどほどに

繰り返しになるけれど、「落とすケア」のやりすぎには気を付けて!

適切な頻度はアイテムや肌状態にもよるものの、3~4週に1回で十分なことも。普段から肌の状態をよく観察して、通常のクレンジングや洗顔で落としきれない角質が溜まってきたときだけ、上手に活用しよう。

保湿をしっかり行う

ビニール肌にならないためには、角質を落としすぎないことと並行して、入念な保湿がとっても大切。肌にしっかりうるおいを補って健康的な角質層を育て、ターンオーバーを正常にしよう

オススメの保湿成分は、ヒアルロン酸やセラミド、アミノ酸などの肌にもともと存在する成分。化粧水だけではうるおいが蒸発してしまうので、乳液とクリームも欠かさずに使ってね。

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季節や天気に関係なく、紫外線対策を

紫外線は肌の乾燥を招き、バリア機能を低下させる一因に。晴れた日や春夏だけでなく、365日UVケアを心がけて

肌へのやさしさを重視するなら、紫外線散乱剤を使用したノンケミカルタイプにするのもアリ。日常生活ならSPF20~30、PA++~+++もあれば十分です!

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ビニール肌じゃない、「本物」のツヤ美肌を目指そう♡

悪者にされがちな角質も、すこやかな肌のためにはある程度必要。取り去りすぎてビニール肌になってしまうと、ほかの肌悩みにつながってしまうこともあるので注意が必要です。ついついスキンケアをがんばりすぎちゃうあなたも、肌のためにちょっとゆる~いケアを意識してみてね♩

イラスト/黒猫まな子
構成・文/新井美由紀、vivace

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