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紫外線対策の神アイテム「日傘」の選び方をプロが直伝!使うメリットや注意点も解説【傘ソムリエ土屋さん監修】

紫外線対策の神アイテム「日傘」の選び方をプロが直伝!使うメリットや注意点も解説【傘ソムリエ土屋さん監修】

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温暖化やスキンケア意識の高まりもあり、数年前に比べてかなり身近になった日傘。とはいえ正しい選び方がわからなかったり、出し入れや持ち運びが面倒そうと感じたり、そもそも本当に必要? と思っていたりする人も多いはず。

そこで今回は、傘ソムリエの土屋さんに、日傘の効果&メリットやプロ直伝の選び方、お手入れ方法などを詳しく解説してもらいました。日傘を積極的に活用して、紫外線から肌を守りましょう!
ミュゼ会員のみなさんに聞いた、日傘利用実態調査も要チェックです。

※現在販売されている日傘としての機能を持つ傘は、「晴雨兼用傘」であることがほとんどです。こちらの記事での「日傘」は、「晴雨兼用傘」を含みます。

監修:傘ソムリエ 土屋博勇喜さん
監修:傘ソムリエ 土屋博勇喜さん

22歳から大手ホームセンターでレイングッズを担当し、傘の虜となる。2019年、株式会社シューズセレクションWaterfront®へ入社し、仕入れ・売り場作りの責任者に。同時に、傘の魅力を広く伝える世界初の「傘ソムリエ」として活動を始める。傘やレイングッズの開発・監修、商品紹介動画の配信、各種テレビ番組への出演など、傘にまつわる幅広い分野で活躍している。

日傘って使ってる? みんなの日傘利用実態を調査!

出典:出典:調査概要[対象:14~68歳ミュゼ会員女性/期間:2024年3月1日~3月31日/有効調査人数:116人/手法:インターネット調査/調査元:ミュゼプラチナム]

mismos読者に日傘を使っているか調査してみたところ、76.7%もの人が使っているという結果に!

使っていない人に理由を聞いてみると、多かったのは「持ち歩くのが面倒」という声。
なかには「日焼け止めを塗っているから十分」という声もありましたが、実は意外とそうでもないんです…!

紫外線対策、日焼け止めだけでは不十分! 日焼け止めの落とし穴

日焼け止めの落とし穴

  • マスクの着脱や服などで擦れて落ちると効果が落ちる
  • どんなに丁寧に塗ってもムラになりやすく、紫外線を完璧には防ぎきれない
  • 厚塗りをすると白浮きすることも
  • 目から紫外線の影響を受けてしまう
    など

紫外線が肌に与える影響は、単なる日焼けだけにあらず。
肌の奥まで到達するUV-A(紫外線A波)はシワ・たるみを、肌の表層に強いエネルギーを与えるUV=B(紫外線B波)は、赤みやシミを引き起こします。

さらに、乾燥やターンオーバーの乱れによるくすみや肌荒れにつながったり、肌表面の皮脂を酸化させて毛穴の目立ちやニキビを悪化させたりと、あらゆる肌トラブルの原因に。

こんなに便利! 日傘の効果・メリット

紫外線を物理的にカット!広範囲のUV対策に

日傘は、日焼け止めを塗りにくい部位まで広範囲をカバーできることが最大のメリット。UV-A、UV-Bを含む紫外線を物理的にカットできるので、シミ、シワ、たるみなどの紫外線が一因になる肌トラブルを予防するために最適といえます。

いつでも日陰!暑さをしのいで滝汗対策&熱中症予防にも

日傘は太陽の光を直接遮ることで、頭部や顔の温度上昇を抑える効果もあります。直射日光を浴びると体感温度が上がり、特に夏場などの30度を超える日は、滝のようにたくさん汗をかいてしまうことも。汗ジミやニオイなど、さまざまな悩みの原因になりかねません。

いつでも日陰状態にできる日傘を使えば体感温度が下がり、滝汗状態の回避に役立ちます。さらに暑さによる熱中症のリスクを減らすことができ、健康管理の面でも優秀なんです。

皮脂分泌を抑えて化粧崩れ防止に

紫外線を浴びると肌が乾燥し、逆に皮脂の分泌が促されて化粧崩れの原因になることもあります。油分が多く含まれるファンデーションやコンシーラーは、温度や湿度が上がるとただでさえ崩れがち。日傘で顔への日差しを避ければ、一日中崩れにくいメイクをキープしやすくなります。

突然の雨もへっちゃら!

晴雨兼用の日傘を常に持ち歩けば、突然雨が降ってきたときに使えることもメリットのひとつです。

近年では夏のゲリラ豪雨も増えていますが、晴雨兼用タイプならいざというときの備えにもなります! 風や雨に強いものも多くなっていますよ。

春から? 夏から? 日傘はいつから使うべき?

日傘を使っていると回答した人に、何月ごろから使い始めるかも聞いてみました!

出典:出典:調査概要[対象:14~68歳ミュゼ会員女性/期間:2024年3月1日~3月31日/有効調査人数:116人/手法:インターネット調査/調査元:ミュゼプラチナム]

最も多かったのは5~6月、次いで7月でしたが、紫外線対策をするなら、実は3月ごろから日傘を使い始めるのがベストなんです!

出典:出典:国立環境研究所 地球環境研究センター 2017年 つくば局UV-A・UV-B観測データ

紫外線値が最も高いのは確かに夏ですが、量も強さも上がりはじめる3月ごろから日傘を使い始めることをオススメしています!

年間の紫外線量(UV-A、UV-B)の推移はこちらの記事で詳しく解説しているので、チェックしてみてくださいね。

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ここをチェック! 傘ソムリエ直伝の日傘の選び方のポイント

紫外線対策に日傘が効果的なことはわかったけれど、どう選べばいいかはイマイチわからないのが本音…。みんなは日傘選びのときに、どんなポイントを重視しているのでしょうか?

出典:出典:調査概要[対象:14~68歳ミュゼ会員女性/期間:2024年3月1日~3月31日/有効調査人数:116人/手法:インターネット調査/調査元:ミュゼプラチナム]

やはり、一番多かったのは「UVカット効果」! でも、それをどう見極めればいいのかわかりにくいと思っている人も多いはず。その他のポイントも含め、実際に日傘を選ぶときのチェックポイントを、傘選びのプロの目線から土屋さんに教えてもらいました。

UVカット効果を最も左右するコーティングの有無をチェック!

アンケートでも、日傘選びの際に最も重視しているという声が多かった「UVカット効果」。

UV=紫外線をカットするためには、まず表面か裏面にコーティングが施されているものを選びましょう
さらにそのコーティングは、主にPU(ポリウレタン)コーティングラミネート加工の2種類に分かれます。

日傘のPUコーティングとラミネート加工の違い

PUコーティング
  • 生地の裏面にポリウレタン樹脂(PU)でコーティング加工を施す加工のこと
  • 生地そのものに加工を施すので、ラミネート加工よりも軽い
  • 比較的安価だが、製造や販売の環境下での温湿度の差で、目に見えない程度のごく小さな穴が開く「ピンホール現象」が起きるリスクがある
ラミネート加工
  • UVカット/遮光/遮熱効果がある樹脂シートを生地に貼り合わせる
  • 専用の生地を貼り合わせているので、PUコーティングよりもやや重いが丈夫
  • ピンホール現象※が起きず、生地に傷がつかない限り性能は落ちないが、高価
    ※織物の特性上ピンホール状に見える場合があるが、遮光率及び耐水には影響なし

実はこの2種類、傘を作る前の生地の段階ではどちらもUVカット率100%。生地自体の性能に差はないんです。

では何が違うのかというと、傘として使っていくうちに起こるピンホール現象による生地の劣化リスクの有無と価格。とはいえ、ピンホール現象が起きたとしてもかなり小さな穴なので、よほど激しく使わない限りPUコーティングでも大きな問題はありません。

「UVカット」という点では正直どちらでも問題なく、とにかく表面か裏面にコーティングされているものを選ぶことが大切です。

コーティングされているかわからない場合や、実際の性能を確かめてみたい場合は、傘を広げてスマホのライトなどを当ててみる方法も! 光が透けなければ、UVカット機能は十分だと推察できます。店頭などで試してみてくださいね。

タグやサイトの記載・表現をチェック! UVカット率・遮光率・UPFの違いって?

表面か裏面にコーティングが施されているのを確認したうえで、日傘に付いているタグやHPに記載されている、日傘の機能を示す表記もチェックしてみましょう。

しかし実は明確なルールがないことから、UVを含む「光」をカットする、防ぐことを意味する名称・言い方はさまざま

  • UVカット率、紫外線遮蔽率(「UVカット率99.9%」「紫外線遮蔽率99%」など)
  • 遮光率(「一級遮光:遮光率99.99%以上」など)
  • UPF(「UPF50+」など)

それぞれの定義はこちらです。

UVを含む「光」をカットする表記の定義

  • UVカット率、紫外線遮蔽率
    UV(=紫外線)をさえぎる率。
  • 遮光率
    可視光線(=目に見える光)を遮断する率。「一級遮光(遮光率99.99%以上)」という表現は、日本洋傘振興協議会(JUPA)に加盟していないと謳えないので、その表記がなくても同等の効果があるものも存在する。
  • UPF
    UltraViolet Protection Factor(紫外線保護指数)の略。オーストラリア・ニュージーランドで定められた衣類などのUVカット(紫外線防止指数)の世界的基準値で、数値が大きいほど紫外線の影響を防げることを示す。

 

※UVカット率(紫外線遮蔽率)、遮光率に関しては、縫い目などから少なからず光が漏れることから、100%ではなく99.99%と表記されていることが大半。「100%」表記の場合も、たいてい「生地としての数値」と注釈がついている。

メーカーによって何をどこまで記載しているかも異なるので、それぞれの意味と注意点を知っておきましょう。

例えば、UVカット率に関する表記がなく「UPF50+」とだけ記載されている場合は、「UVカット率99%」ではない可能性もあるということ。コーティングされていなければなおさらです。さらに、UVカット率99%でない場合は「UVケア」というあいまいな単語を使っているパターンもあります。

まずはコーティングの有無を確認し、ネット購入の場合は掲載されている詳細情報を、店舗購入の場合は商品についているタグなどをすみずみまでチェックしてみてください。表現の意味や違いがわかっていれば、惑わされにくくなるはず!

涼しさに差が出る“遮熱効果”もチェック

遮熱効果が高い日傘なら、紫外線だけでなく暑さも回避できて一石二鳥です!

遮熱指数は「遮熱率〇%」と表記され、数字が大きくなるほど熱を遮る効果が高くなります。遮熱率35%以上あれば、十分な遮熱効果が期待できますよ。

単に「遮熱効果」となっているなど具体的な数値が記載されていない場合、定められた遮熱性試験(JIS L1951)を実施していない可能性もあります。コーティングされていれば、物理的にある程度の熱を遮ることは可能だからです。涼しさをしっかりと体感するためには、具体的な指数(%)が明記されているものを選びましょう

コーティングされていれば、表地の色は何色でもOK!

現在の技術はかなり進化しているので、コーティングされていれば表地の色によってUVカット率が変わることはありません。基本的に好きな色を選べばOK!

しかし黒をはじめとする暗い色は路面からの照り返しを吸収するので、白やベージュなどの明るい色に比べると遮熱効果が若干低め(ただし遮光能力とUVカット能力は高め)。同じシリーズでも、色によって遮熱指数が微妙に異なる場合があります。

一方で、暗い色は顔に影がかかりやすく、淡い色は顔色が明るく見えるという側面も。自分が重視したいポイントによって色を選んでみましょう。アクセサリー感覚で、ファッションとのコーディネートを楽しむのもオススメです!

最近では男性からの需要が増し、ユニセックス製品もかなり多くなっています。それに関連して、性別や年齢を問わず使いやすいくすみカラーが人気です。ニュアンスカラーはサイトの写真と実物の色が異なって見えることも多いので、気になるアイテムはぜひ店頭などで実際に見てみることをオススメします!

自分にとって使いやすいサイズ・重さを見つけよう

日傘の標準サイズは、親骨50cmが一般的。荷物が多い人など、より広範囲をカバーしたい場合は55cm以上あると安心です。ただし体格に対して大きすぎると荷物になったり、風にあおられやすくなったりというリスクも。広げた状態で手に持って鏡で確認し、自分にとって適切なサイズを見つけましょう。

長傘か折りたたみ傘かで日傘の効果が変わるわけではないので、自分にとって使いやすい方を選べばOK。とはいえ持ち運び時の軽さを重視するなら、やはり折りたたみがオススメです。

重さは300gをきっていれば、比較的軽量。アンケートでは日傘を使っていない人の理由の一つに「荷物になる」という意見もありましたが、なんとサイズによっては100gをきる晴雨兼用傘も登場しているんです!
店頭で実際に持ってみるのが一番ですが、ネットショッピングでも記載されている重量をしっかりチェックしてみましょう。

最近では、骨にグラスファイバーやカーボンなどの軽い素材を使っているものも増えました。骨の本数の少なさも軽さにつながりますが、その分耐風性は弱まります。重視したいポイントを考えながら選んでみてください。

ゲリラ豪雨対策も兼ねるなら、耐水圧と耐風性も確認!

急な雨風の備えとしても使いたいなら、耐水圧と耐風性も要チェック!

「耐水圧」とは、生地に染み込もうとする水圧に対して、どれほど耐えられるかを数値化したもの。JIS規格(日本工業規格)に基づいた耐水圧試験によって算出されています。

日本洋傘振興協議会(JUPA)が出している耐水圧の基準は300~500mmですが、コーティングされた傘なら1,000mm以上あると考えていいでしょう。大雨なら10,000mm、嵐なら20,000mm以上あると安心です。

特にコーティングされている最近の晴雨兼用傘の中には、耐水圧10,000mmあるものも少なくありません。中には27,000mmという数値を誇るものもあるので、タグなどの表記を確認してみてください。

耐風性を示す具体的な指標はありませんが、製品の特長として風への強さを謳っているかチェックしましょう。骨の組み方や素材の組み合わせなど、製品によって強い風に耐えるためのさまざまな工夫が施されています。

骨の本数が多いほど、重くはなりますが耐風性は高まります。スーツケースにも使われるポリカーボネート素材を骨の一部に使用することで、耐風性を高めている傘もありますよ。

長く愛用するために。日傘の使い方・お手入れのポイント

開くときはほぐしてから! 閉じるときにはねじらない

長傘・折りたたみ傘ともに、ベストコンディションを保つためには開き方と閉じ方がとても大切です!

水分が付着したままたたんだ後などは、生地同士や骨・生地がくっつきがち。その状態でいきなりバッと開くと生地が引っ張られ、骨の折れや歪みにつながる可能性があるんです。
バンド(紐)をほどいたら軽く振り、傘を広げる前に布同士の張り付きをほぐしましょう

また、傘をぎゅっと絞るようにたたむと、摩擦や手垢などの付着により、生地の傷みにつながります。指で1枚1枚巻きつけるようにまとめ、最後にバンドで丁寧に留めましょう

なかなか見る機会は少ないかもしれませんが、実は大抵の傘の説明書などにも記載されています。これらのひと手間をあらためて意識してみてください。

汚れが気になったら、お湯で軽く洗って陰干しを

汚れが気になったら、38~40度ぐらいのお湯で表面のホコリと油分を軽く落とし、陰干しすればOK!
晴雨兼用にしているなら、必要に応じて防水スプレーをかけましょう。

表面もしくは裏面にコーティングが施されていれば紫外線カット機能はほぼ落ちないので、UVカットスプレーは不要です。

日傘の買い替えを検討すべきタイミング

どこかに置き忘れてなくしたり壊れたりしない限り、日傘を新しく買う必要はないように感じますよね。でもずっと使っていると少しずつ劣化して、日傘の本来持つ機能が失われる可能性もあるんです。
すでに持っている日傘を買い替えるタイミングは、以下のようなサインに注目して判断してみてください。

生地に穴や破れがある

日傘の生地に穴や破れがあると紫外線が通過してしまい、日傘の役割を果たせません。選び方の項目で紹介した「ピンホール現象」による小さな穴の増加は、買い替えタイミングのひとつの検討材料になります。

生地の薄れや色あせが進んでいる

紫外線に長時間さらされることで、生地は少しずつ劣化していきます。しかしコーティングが施されている限り、生地が薄くなったり色あせしたりしても紫外線カット能力が大きく低下している可能性はさほどないと考えられます。見た目の変化などが気になる場合は、買い替えを検討してもいいでしょう。

骨組みの歪みがある、開閉がスムーズでなくなっている

日傘の骨が曲がっていたり一部が折れていたりすると、開閉がスムーズに行えなくなります。また風で簡単に壊れやすくなり、急な天候の変化に対応できなくなる可能性も。

傘の買い替えタイミング(年数)で悩む場合は、生地の汚れが目立ってくる2~3年を買い替えの一案としてご検討ください。

日傘だけでなく、日焼け止めなどを併用してさらに鉄壁に!

紫外線対策はチームワークが大事です。とっても頼りになる日傘ですが、冒頭でお伝えしたとおり、これだけで紫外線対策するのは少し不十分。
日焼け止めやアームカバー、UVカット効果のある衣類なども取り入れて、鉄壁の紫外線対策を目指しましょう!

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紫外線対策の強い味方! お気に入りの日傘を見つけよう♩

どれも同じに見える日傘にも、UVカット率や遮光率、遮熱率などいろいろな機能があるんです。まだ日傘デビューしていない人はもちろん、すでに愛用している人も、自分にぴったりの1本を探してみてくださいね♩ お気に入りの日傘があれば、ちょっと面倒に感じる紫外線対策が楽しくなりますよ。

イラスト/NAPPY
構成・文/新井美由紀、vivace

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