【医師監修】また来た!生理前の肌荒れやニキビを悪化させないスキンケア&過ごし方
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気持ちも不安定な生理前や生理中、女性をさらに憂鬱にさせるのがお肌のトラブルです。生理前になるとニキビや吹き出物ができたり、肌が脂っぽくなったりと、いつもと同じスキンケアをしているのに肌荒れが気になるという経験はありませんか?
月経による肌トラブルの原因には、生理周期によるホルモンバランスの変動が大きく関わっているんです。毎月のストレスを少しでも軽くするためにも、そのときの肌に合わせたスキンケアで、トラブルをできるだけ抑えたいもの。
生理前~生理中の肌荒れを回避するためのスキンケアや過ごし方のコツを、皮膚科医の久保田先生に教えてもらいました。
目次
久留米大学卒業。美容皮膚科クリニック勤務。
患者と一緒にキレイを叶えることを大切に考えている。
生理前〜生理中の肌はどんな状態? 肌荒れしやすい理由を解説
生理前から生理中にかけての時期は、肌が乾燥したり、ニキビができたり、なにかと肌が荒れやすい人も多いはず。
でも、どうしてこの時期は肌が荒れやすくなるのでしょうか? 生理前〜生理中の肌状態の特徴から、徹底解説します。
1. 交感神経のバランスが乱れてストレスが溜まりやすい状態に
生理前には、心身の状態からくるトラブルもつきもの。精神状態が不安定になって、ストレスを溜め込んでしまったり、暴飲暴食をしてしまうなど、肌にとってもよくない状態になりかねません!
生理前には、交感神経が活発になるという説があります。交感神経が活発になると、気持ちを興奮・緊張モードにするため、ストレスを受けやすくなるんです。
また、セロトニンと呼ばれる脳内ホルモンが減少するという説も。セロトニンは、心の安定感をもたらしてくれる役割があるので、減少することでイライラしたり、精神的に不安定になってしまいます。
2. 女性ホルモン「エストロゲン」の減少で肌のバリア機能が低下! 乾燥や肌荒れに
生理前になると、女性ホルモンの一種「エストロゲン」が減少します。
エストロゲンには、ターンオーバーの促進作用や皮膚の水分保持作用、肌のバリア機能を高める作用があります。
そのため、生理前にエストロゲンが減少することで、肌の水分が失われて乾燥しやすくなり、バリア機能が低下してしまうんです。
肌のバリア機能が低下すると、乾燥以外にも小ジワやたるみ、赤み、むくみなどにもつながる場合があります。
また、バリア機能の低下で敏感な肌になっているために、いつもと同じ化粧品でも、使用後ヒリヒリしたり、赤みが出てしまうことがあるんです。
3. 女性ホルモン「プロゲステロン」の増加で皮脂分泌量が増加! ニキビや毛穴トラブルに
生理前の肌は、「プロゲステロン」と呼ばれる女性ホルモンが増加するのも特徴です。
プロゲステロンは、皮脂腺の働きを活発にさせる作用を持っています。そのため、プロゲステロンの増加に伴って皮脂の量が増えやすくなるんです。
皮脂分泌量が増えることで、開き毛穴や詰まり毛穴、ニキビなどのトラブルにつながりやすくなります。
身体・心ともに、生理前はさまざまなトラブルが起こりがちですが、肌トラブルにつながる主な原因は、「エストロゲン」「プロゲステロン」のバランスの変化なんです。
次の項目で、2つのホルモンについて詳しく解説していきます!
生理前の肌荒れに影響大! 女性ホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」とは?
エストロゲン(卵胞ホルモン)
エストロゲンは、「卵胞ホルモン」とも呼ばれる女性ホルモンの一種。卵巣中にある卵胞という場所で作られます。
生理中から排卵前にかけて増加しピークとなり、排卵後は急激に減少するのも特徴のひとつ。
エストロゲン(卵胞ホルモン)は、真皮層にある「線維芽細胞(せんいがさいぼう)」を活発化させ、ハリのある肌を保つ効果があります。
また、ターンオーバーを促し肌のキメを整えたり、バリア機能を高めてくれる役割もあるんです。
エストロゲンは、肌だけでなく髪にも影響が。キレイなツヤ感を保ち、健康的でハリのある髪に導いてくれます。
プロゲステロン(黄体ホルモン)
プロゲステロンは、「黄体ホルモン」とも呼ばれる女性ホルモンの一種。排卵後の、黄体化した卵胞から分泌されるホルモンで、排卵後から徐々に増加し、次の生理が近づくにつれて減少していきます。
プロゲステロン(黄体ホルモン)には、先ほども説明したように皮脂線の働きを活発にさせる作用があります。
適切なバランスで分泌される分には問題ないのですが、増加しすぎると皮脂量が過剰になり、毛穴が詰まりやすくなったり、ニキビができやすい状態になるんです。
ほかにも、プロゲステロンの増加によって食欲が増進したり、身体に水分が溜まりやすくなるという影響も。太ったり、むくみやすい身体になってしまうんです。
生理周期で女性ホルモンと肌の状態はどう変わる?
生理前〜生理中は、乾燥やニキビなど、踏んだり蹴ったりな肌状態。肌のゆらぎをできるだけ回避するためにも、ホルモンバランスの変化を知っておくことが大切です。
生理周期と合わせて、エストロゲン・プロゲステロンの量変化をチェック!
以下のグラフのように、生理周期は月経期・卵胞期・排卵期・黄体期の4つの期間に分類されます。
生理周期に伴って、2つのホルモンの分泌量が変化していくんです。
では、それぞれの期間で肌はどのように変化するのでしょうか?女性ホルモンの分泌量の変化に着目して月経期・卵胞期・排卵期・黄体期それぞれの状態を見ていきましょう!
- 月経期(約3〜7日間)…出血が始まって終わるまでの期間
プロゲステロンの数値が低く、エストロゲンの数値も低くなっている状態。
プロゲステロンの分泌量が少なめなのはもちろんですが、着目したいのはエストロゲンの数値が低めということ。
肌の水分量が失われ乾燥しやすくなっているほか、バリア機能が低く、炎症やニキビができやすい状態です。
- 卵胞期(約14日間)…卵胞が卵巣内で成長し、排卵するまでの期間
エストロゲンの分泌が盛んになり、ピークの排卵期に向かって増加している状態。
この頃は、エストロゲンの量がどんどん増加していくため、肌は最も調子がいい時期といっても過言ではありません。
バリア機能が高いだけでなく、うるおいやハリのある状態になっています。
- 排卵期(約2〜3日)…卵巣から卵管へ卵子が放出される期間
エストロゲンの分泌量がピークの状態。プロゲステロンは、排卵後に向けて増加傾向になります。
排卵期中は、エストロゲンの分泌量がピークですが、排卵が終わるとプロゲステロンの働きが強くなり、逆にエストロゲンは急減します。
そのため、肌の調子がいい状態から、徐々に不安定になっていき、肌荒れが多い時期に変化していく転換期となります。
- 黄体期(約14日間)…排卵が終わってから次の月経が始まるまでの期間
排卵後からプロゲステロンの分泌が増加し始め、黄体期に分泌量がピークの状態に。逆に、エストロゲンは排卵後から分泌量が急減していきます。
プロゲステロンの作用が強くなるため、皮脂分泌量が増えます。ニキビができやすくなったり、毛穴詰まりなどのトラブルが起きたり、肌荒れを起こしやすい時期となります。
注意すべきは、生理前(黄体期)と生理中(月経期)! 肌荒れを予防するためにも、肌状態が崩れやすい時期に合わせたスキンケアや過ごし方、スキンケアを心がけることが大事ですね。
生理前(黄体期)と生理中(月経期)は「お休みケア」で肌荒れを予防
いつもより肌が敏感になっている生理前(黄体期)と生理中(月経期)は、無理をせず「お休み」しながらいたわってあげるのが大切。生理前~生理中にお休みしたほうがいいスキンケアや過ごし方についてご紹介します。
①がっつりフルメイクをお休み
毛穴や肌の凹凸を整えるベースメイク。生理前〜生理中、肌のバリア機能が低下しがちな時期にしっかりメイクをしすぎるのは△
毛穴を埋めてしまって、かえって肌にダメージを与えてしまったり、さらに肌荒れを悪化させる可能性があります。
生理前〜生理中は皮脂量も多いので、ベースメイクで肌の油分が増えてしまうことも。油分が増加することで、細菌などが繁殖しやすい肌環境となり、肌荒れにつながりやすくなるんですよ。
ベースメイクは、日焼け止め・下地・パウダーの最低限の工程にしてみたり、肌への負担が少ないファンデーションに切り替えるなど、工夫をしましょう。
また、ベースは控えめにしつつ、アイメイクやリップなど、ポイントで色味を足してメイクを楽しむのもGOODです!
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②過度な洗顔やピーリング(角質ケア)をお休み
エストロゲンの減少により、肌の水分量が少なくなっているので、ゴシゴシ洗顔しすぎるのはNG。
また、敏感な肌状態では、刺激の強いピーリング(角質ケア)がかえってダメージになってしまうことも。肌にやさしいケアをしてあげるのが大切です!
低刺激処方のアイテムや敏感肌用のアイテムがオススメ。保湿成分メインなど、配合成分に着目するのもポイントです。また、洗顔をするときには、摩擦レスでやさしく洗ってあげましょう。
洗浄力が強いものや、ピーリング作用があるものは避けた方がいいでしょう。
新しいスキンケアを試したり、ピーリングなどのスキンケアをするなら、肌状態が安定している卵胞期~排卵期の間にするのがベターです。
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③ムダ毛処理をお休み
肌のバリア機能が低下していて、敏感になっている生理前〜生理中。肌負担を減らすためにも、ムダ毛処理はお休みした方がいいかもしれません。
どうしても処理をしたいときは、処理後の保湿や紫外線ケアをいつもより徹底して行いましょう。
ただ、基本的にはムダ毛の処理はお休みしてください。生理後の「排卵期」に行うのが、より効果的ですよ。
生理中は脱毛のお手入れもお休みになります。詳しい理由や脱毛の予約と生理が被ってしまったらどうすればいいかについてはこちらの記事をご確認ください。
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④無理なダイエットをお休み
いつもはしないのに過剰に運動をしたり、食事制限を徹底したり…。無理なダイエットは禁物。ストレスがたまりやすく、食欲も増えやすい生理前〜生理中は、ダイエットがストレスの原因になってしまうことも。調子があまりよくないときには、無理せずお休みするのが大切です。
生理中は気持ちが不安定になったり、食欲が増進したりする期間です。
ダイエットといえるかは分かりませんが、過剰に食べるのを抑えて普段通りの食事量を維持することでも体重増加は防げるはず。無理をするのは禁物ですよ。
⑤がんばりすぎることをお休み
仕事や勉強、ダイエットなど…。がんばることは悪いことではないけれど、心身ともに不安定な生理前〜生理中には、かえって負担になって、さまざまな悪影響につながってしまうかもしれません。
生理中は、腹痛や貧血が生じやすく、身体に負担がかかる時期です。身体にムチ打ってがんばりすぎると、さらに腹痛や貧血が悪化してしまうこともあるので、オススメはできません。
湯船にゆっくり浸かったり、温かい飲み物で内側から温めるなどで身体をしっかり休めてあげましょう。また、趣味を思いっきり楽しんだり、友人と話して気持ちを共有することで、ストレスを発散させるのもひとつの手ですよ。
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生理前と生理中にオススメのスキンケア&過ごし方のポイント
生理前〜生理中にお休みしたほうがいいポイントがわかったところで、この時期に「やるべき」なのはどんなケアなのでしょうか? 生理前〜生理中にオススメのスキンケア&過ごし方のポイントはこちら!
①低刺激の日焼け止めで紫外線予防
肌のバリア機能が低下しているときは、紫外線のダメージを受けやすくなっているので、UV対策は欠かせません! できるだけ直射日光を避け、外出時は日焼け止めを塗りましょう。
ただし、刺激の強い日焼け止めは肌への負担がかかりすぎてしまうことも。シーンに合わせて必要な強度の日焼け止めを使うことが大切です。
肌状態に合わせて、石けん落ちや、ノンケミカル処方などの日焼け止めで対策を。また、日焼け止めと併用して、帽子や日傘、サングラスを使って物理的に紫外線をブロックするのもオススメ!
編集部オススメアイテム
紫外線対策と美肌ケアが1本でできる美容液タイプの日焼け止め
UVブロック SPF30 PA+++ 80g
3,300円
みずみずしく軽いテクスチャーで、UVケアをしながら美肌を叶える美容液タイプの日焼け止め。脱毛期間中のデリケートな肌との相性も良く、敏感肌の方にもオススメです。
②保湿はとにかく入念に!
ほとんどの人が、化粧水や乳液・クリームなどで毎日保湿をしていると思いますが、生理前〜生理中は「いつもより保湿をする」のがポイント。肌の様子を見つつ、普段のスキンケアよりしっかり保湿を心がけて。
肌への刺激は避けたいので、低刺激・敏感肌用の化粧品を使うのがオススメです。保水&保湿を重点的に行うという意味では、保湿系のフェイスパックなどを取り入れるのもいいですよ。
編集部オススメアイテム
うるおい成分を余すことなく肌に届け維持する化粧水
シープインモイスチャライジングローション
4,400円
ディープモイスチャー成分※1がすみずみまで浸透※2。うるおい成分を余すことなく肌に届け維持します。濃密なうるおいで満たし、キメの整ったみずみずしい肌へ導きます。※1 シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール(保湿成分)
うるおいを角質層のすみずみへ巡らせ閉じ込める乳液
キープインモイスチャライジングミルク 100mL
4,950円
ナチュラルアクティブ成分※1が肌にうるおいを与え、しっかり閉じ込める乳液。
うるおいヴェールで肌をやさしく包み込み、ふっくらハリのある肌へ導きます。※1イワベンケイ根エキス、ケーパー果実エキス、クロミグワ葉エキス
積層ラメラ液晶処方を採用した浸透型※1フェイシャルマスク
ラメラトリートメントマスク 5枚入り
4,180円
水分を肌に抱き込み、長時間うるおいが持続。美容成分を集中的に与え、うるおいに満ちたやわらかな肌へ導きます。乾燥による肌トラブルから守ります。※1.角質層まで
③食事はビタミンとタンパク質を意識
食生活を整え、インナーからすこやか美肌を目指すのも重要です。ビタミンやタンパク質などの栄養素を含む食材を意識的に摂取して、肌荒れ対策をしましょう。肌を作るために必要な栄養素を補うことで、肌トラブルの予防が期待できます。
肌のうるおいを保つため、水分をしっかり摂ることも忘れずに!
また、寒天やヨーグルトなどで腸内環境を整え、便秘対策をするのもポイントです。
便秘だと、身体に取り入れた栄養を腸で十分に吸収ができなくなってしまいます。また、腸内環境の悪化によって産生された有害物質が、血液を通って肌まで届き、ターンオーバーが乱れたり、肌荒れにもつながる可能性もあるんです。
便秘対策は、美肌のキープにも密接に関わっているんですね!
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④内と外から身体を温める
肌にとって冷えは大敵! 冬はもちろん、夏でもクーラーで身体が冷えてしまうこともあるので、季節を問わず温活で対策を。
湯船に浸かって温活!
生理前は、シャワーだけでささっと済ませるのではなく、ゆっくり湯船に浸かって身体の芯から温めましょう。
お湯の温度は、高すぎない38〜40度程度がオススメ。20〜30分を目安に、ゆっくり入浴時間を楽しんでみてください。
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ホットドリンクを取り入れて温活!
生理前〜生理中はできるだけ温かい飲み物を飲むようにして、内側から身体をポカポカに。夏は、クーラーでの冷えを解消するためにも、家やオフィスで取り入れてみて。
血行促進が期待できる生姜入りのドリンクや、身体を温める作用のあるシナモン入りのドリンクがオススメですよ。
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度がすぎると身体を冷やしてしまうものも。特に注意すべきな、身体を冷やすNG習慣をご紹介。生理前や生理中はできるだけ控えるようにしましょう!
身体を冷やすNG習慣
アルコールやカフェインを過剰に摂取
喫煙
たばこやカフェインには血管収縮作用があるため、過剰に摂取すると身体の冷えを引き起こします。
生理中の摂取は、生理痛がさらにひどくなる可能性もあります。また、鉄分の吸収を阻害し、貧血が悪化する可能性もありますよ。
ホルモンバランスが崩れやすい生理前〜生理中に無理は禁物! お休み&いたわりケアで肌荒れ対策を
生理前〜生理中は、エストロゲンやプロゲステロンのバランスが変化するため、どうしても肌の調子が崩れやすい時期です。しっかり対策をしているつもりでも、ニキビや肌荒れが発生してしまうこともあります。
適度な「お休みケア」と、やさしくいたわるケア&過ごし方で、できるだけ肌への負担を減らしてあげることが大切なんです!
生理前〜生理中の肌のゆらぎは、どうしても起こってしまうもの。落ち込んだり、焦ってがんばりすぎたりせずに、リラックスしながら過ごすようにしましょう。
肌状態に合わせたスキンケアと過ごし方で、生理前〜生理中の不調にも負けない美肌を目指しましょう!
イラスト/ishin
構成・文/vivace